怖い話:夜のマンションと「でてきてくれるかな」——大学生たちの奇妙な体験

夜のマンションと「でてきてくれるかな」——大学生たちの奇妙な体験

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○マンション前・夕方

N:大学生だった私は、友人とある奇妙な体験をすることになる。

(カメラ、古びた8階建てマンションをゆっくりパン)

○マンション・エントランス(夕方)

登場人物
・ユウタ(21・大学生)
・ケンジ(21・大学生・ユウタの友人)
・サトミ(21・大学生・ユウタの友人、ルームシェア仲間)
・少年(4〜5歳・小柄、あどけない表情)

(ユウタ、ケンジの部屋のインターホンを押す)

SE:インターホンの音

サトミ:(玄関から顔を出す)
「ユウタ、いらっしゃい。
今日も暗いね、このマンション…」

ユウタ:(苦笑しながら)
「ほんと、いつ来ても古びてるな。
エレベーターも怖いし。


(BGM:不穏な雰囲気に変わる)

○マンション・エレベーター前(夕方)

(ユウタ、エレベーターを待つ。
横の植え込みは手入れされていない)

SE:エレベーターの古びた到着音

(ドアが開くと、少年が走り込んでくる)

少年:(背伸びしてボタンを見つめる)

ユウタ:(微笑みながら)
「何階に行くの?」

少年:「6階!」

ユウタ:(6階のボタンを押す)

(エレベーターの中、少年はそわそわしている)

○マンション6階・廊下(夕方)

SE:到着音

(少年、降りて走り出す)

少年:(603号室の前でチャイムを押しながら)
「ちゃんとでてきてくれるかな〜」

(扉が開くのを待つ少年。
ユウタは不思議そうに見つめる)

○マンション803号室・夜

(ユウタ、ケンジ、サトミで宅飲み。
リビングには酒瓶とつまみ)

ケンジ:(笑いながら)
「この部屋、ボロいけど落ち着くだろ?」

ユウタ:(グラスを持ち上げて)
「まあね。
でも、さっきの子供…可愛かったな。


サトミ:「このマンション、大学生だけじゃなくて家族も住んでるからね。


(BGM:和やかに)

○マンション・廊下(深夜3時)

(酒が足りなくなり、ユウタとケンジが買い出しに出る)

ユウタ:(コートを羽織りながら)
「この時間、スーパー空いてるかな…」

(エレベーターに乗り込むと、また少年が走り込んでくる)

ユウタ:(酔いながら、ふと違和感に気づく)

ユウタ:(少年に)
「…たしか、6階だったよね?」

少年:(首を横に振って)
「ううん、7階だよ。


ユウタ:(7階のボタンを押す)

○マンション7階・廊下(深夜)

(少年、703号室に駆け寄りチャイムを押す)

少年:(小さな声で)
「ちゃんとでてきてくれるかな〜」

(ユウタ、ぞっとした表情で見つめる)

○マンション803号室・リビング(夜明け前)

(ユウタ、ケンジ、サトミが買い物から戻り、ソファで休む)

ユウタ:(不安げに)
「なあ、昼間6階で見た子、さっき7階にいたんだ。
あの子、知ってる?」

ケンジ:(顔を曇らせて)
「…603号室、子供なんていないはずだよ。


サトミ:「私も見たことない。
昼間、インターホンの音がしたけど誰もいなかったって。


(全員、顔を見合わせて沈黙)

SE:ピンポーン(チャイムの音が響く)

(全員、凍りつく)

N:背筋が凍るような瞬間だった。

ユウタ:(声を震わせて)
「…これ、出なくていいよな?」

ケンジ:(少し間を置いて、立ち上がる)
「ちょっとだけ、外覗いてみるよ。


(ケンジ、そっと玄関に近づき、ドアスコープを覗く)

(長い沈黙)

ケンジ:(戻ってきて、青ざめた顔で)
「…誰もいなかった。


ユウタ:「マジか…。


ケンジ:(ためらいながら)
「でも…玄関に近づいた時…」

(カメラ、ケンジの口元をアップ)

ケンジ:(声を震わせて)
「“ちゃんとでてきてくれるかな〜”って、小さい子供の声が…聞こえた。


(全員、言葉を失う)

(BGM:静かに、不穏な雰囲気でフェードアウト)

N:その日以降、私はあの部屋に近づくことはなかった。
そして、友人たちも卒業とともに、マンションを去っていった。

N:もし、あの夜…玄関を開けていたら、どうなっていたのだろうか——。

(画面暗転)
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