怖い話:「ちゃんとでてきてくれるかな」――深夜のチャイムが告げた恐怖の真相

「ちゃんとでてきてくれるかな」――深夜のチャイムが告げた恐怖の真相

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「ちゃんとでてきてくれるかな〜」

その小さな子供の声が、玄関の向こうから確かに聞こえた。
友人と二人、背筋が凍りついたまま、私は「これは絶対に出てはいけない」と直感した。
けれど友人は恐る恐るドアスコープを覗きに行き、そしてすぐ戻ってきた。

「誰もいなかったよ」

安心しかけたその瞬間、友人がぽつりと続けた。

「でも、玄関に近づいたら、あの子の声が、また…」

――あの子供は、本当に「そこ」にいたのだろうか。

その直前、私たちは深夜3時、酒の買い出しから戻ったばかりだった。
エレベーターを呼ぶと、昼間と同じ小さな男の子がまた現れた。
こんな時間に子供が一人でいるはずがない。
疑問に思いながらも、言われるまま7階のボタンを押すと、男の子は703号室へ駆けていき、またあの言葉を口にした。

「ちゃんとでてきてくれるかな〜」

その不可解さに震えながら友人に話すと、「6階にも7階にも子供はいない」と言われた。
先輩も「昼間、誰もいないはずの603号室のチャイムが鳴った」と語った。
私たちは戸惑い、部屋に戻った矢先、あのチャイムが鳴ったのだった。

話はさらに遡る。
大学時代、私が奇妙な体験をしたのは、友人の8階のマンションだった。
古びた建物、管理が行き届かず不気味な雰囲気。
初めて訪れた日、エレベーターの前で出会ったのが、あの小さな男の子だった。
ボタンに手が届かず困っていた彼のために6階のボタンを押してあげると、603号室で「ちゃんとでてきてくれるかな〜」と繰り返していた。

それは微笑ましい光景のはずだったのに、次第に不穏なものへと変わっていった。

実は、そのマンションの603号室にも703号室にも、子供のいる家庭などなかった。
昼も夜も現れるその子供は、いったい何者だったのか。
なぜ「ちゃんとでてきてくれるかな〜」と繰り返すのか。

今となっては、もしあの時、私たちが玄関を開けていたらどうなっていたのか、知る由もない。
あの夜以来、私はその部屋には二度と近づくことができなかった。
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