怖い話:夜のマンションで出会った小さな訪問者の不思議な体験

夜のマンションで出会った小さな訪問者の不思議な体験

🤝 親切 に変換して表示中
大学生だった頃、私は友人と少し不思議な体験をしたことがあります。

その友人は8階建てマンションの最上階に住んでいて、3LDKの部屋を他の2人とルームシェアしていました。
どの部屋も同じような広さで、他にも大学生や家族が住んでいたようです。

私はそのマンションに何度か行ったことがありましたが、全体的に「古めかしい」としか言いようのない建物でした。
老朽化は仕方ないとしても、管理があまり行き届いていない感じがして、敷地内の木々も手入れされていなかったため、少し不気味な雰囲気も感じたものです。

友人の部屋は8階にあるので、エレベーターを使う必要がありましたが、そのエレベーターもやはり古く、初めて乗ったときは「もし途中で止まったらどうしよう」と心配になったほどでした。

そんなある日、ボタンを押してエレベーターを待っていると、エレベーターが到着しました。
乗り込もうとしたとき、4歳か5歳くらいの小さな男の子が走ってきたのです。
背伸びしてもボタンに届かない様子が、なんだか微笑ましかったのを覚えています。

—何階に行くのかな?
—6階!
そう言う男の子のために、私は6階のボタンを押してあげました。
到着すると、その子は
—ちゃんとでてきてくれるかな〜
とつぶやきながら603号室のチャイムを押し、扉が開くのを待っていました。
その後、私は803号室の友人の部屋を訪ねて、みんなで宅飲みを始めたのでした。

夜も更け、お酒が足りなくなったため、午前3時に近くのスーパーへ買い出しに行くことになりました。
エレベーターに乗ると、なんと昼間の男の子がまた走ってきたのです。

酔っていたとはいえ、こんな時間に小さな子供が外を歩いているのは、やっぱりおかしいなと感じました。

—たしか…6階だったよね?
—ううん。
7階だよ。

男の子にそう言われたので、私は7階のボタンを押してあげました。
すると男の子は703号室に走って行き、またチャイムを鳴らして
—ちゃんとでてきてくれるかな〜
と言っていました。
少し不気味な気がして、友人にその話をすると、603号室には子供はいないとのことでした。

そこで先輩にも確認したところ、昼間チャイムの音は確かに聞いたけれど、誰もいなかったとのこと。
私たちは顔を見合わせ、なんとなく落ち着かない気持ちのまま、「もう寝ようか」と話していた時のことです。

ピンポーン

突然のチャイムの音に背筋がぞくっとし、直感的に「これは出てはいけない」と思いました。
ですが、友人は
—少しだけ外覗いてみる
と言って玄関へ向かいました。
すぐに戻ってきて
—何か見た?まさか子供がいた?
と私が尋ねると、
—いや、誰もいなかったよ。

と答えてくれたので、少しほっとしたのも束の間、友人は続けました。

—外には誰もいなかったけど、玄関に近づいたら
—ちゃんとでてきてくれるかな〜
って、小さな子供の声が聞こえたんだ…。

それ以来、私はその部屋には行かなくなり、友人も卒業とともに引っ越しました。
もしあの時、玄関を開けていたら、いったいどうなっていたのでしょうか…。
読了
スワイプして関連記事へ
0%
ホーム
更新順
ランダム
変換
音読
リスト
保存
続きを読む

コメント

まだコメントがありません。最初のコメントを投稿してみませんか?

記事要約(300文字)

ダミー1にテキストを変換しています...

0%
変換中