我が子の笑顔を取り戻すディズニーの夜

旦那の上司A課長は、病で幼い子供を亡くしました。
当時5歳で、幼稚園の年中さん。
原因は不明で、不治の病だったと言います。
Aさん夫妻は絶望の淵に立ち、特に奥さんはAさんにDV行為をすることもあったそうです。
ストレスからの行動で、Aさんは理解を示し黙って見守っていました。

子供を失った親の苦しみは計り知れません。
奥さんは常に子供と共に過ごし、Aさんは仕事で病院に行けない日も多かったといいます。
Aさんは「いずれ退院したらディズニーに行こう」と軽く考えていた矢先に、子供は突然亡くなりました。

夫婦はその後、毎日喧嘩が絶えず、Aさんも時に言い返してしまうことがありました。
精神的に疲弊したAさんが涙ながらに「ゼロになるとは信じられない」と語ったこともあります。

そんな時、A課長は「ディズニーランドに行こうか」と妻に提案しました。
亡き子の誕生日だったからです。
彼らはディズニーランドで毎年誕生日を祝っており、今年も同じように祝うことを決めたのです。

ディズニーランドでは、親子連れを見るたびに涙が溢れそうになり、Aさんは「来なければ良かった」と思いました。
奥さんも「帰ろうよ」と言い、夫婦の間には深い溝が広がりました。

それでもレストランを予約していたA課長は、そこに行くことに。
キャストに「昨年、子供を亡くした」と話すと、店側は三人分の食事を提供し、亡き子供へのバースデーケーキを用意してくれました。
周囲の客も一緒にハッピーバースデーを歌い、Aさん夫妻は奇跡を感じました。

その時、夫婦は「間違っていたかもしれない」と悟り、子供のことを忘れずに前に進むことを決意しました。
奇跡を信じ、手を取り合ってディズニーランドを後にしたそうです。