さりげない出会いがくれた小さな希望の物語

私は、先週離婚をしました。

生活力が無いという理由で、子供も元妻のもとに行くことになり、私の手元には何も残りませんでした。

心が空っぽになり、すべてがどうでもよく感じてしまい、何となく「もう終わりにしてしまおうか」と考えながら、近所をあてもなく歩いていたのです。

そんなとき、普段は何度も通っていたはずの道で、これまで気付かなかった小さな神社を見つけました。

どうせならここで…と、ふと首を吊ることまで考えながら、私はその神社の境内に入ってみました。

中に入ると、思っていたよりも広く、どの木の枝が良いのだろうと見回していたところ、突然、巫女さんが現れたのです。

その巫女さんは泣きながら「ばかっ！」と私を叩きました。

何が起きたのか分からず呆然としていると、「死ぬくらいなら何でもできるでしょ！」と、涙を流しながら私に怒鳴りつけて、建物の中へ走って行ってしまいました。

私はしばらく立ち尽くしていましたが、気がつくと急に涙があふれてきました。

その場で泣いていると、今度は神主さんが現れ、家の中に招き入れて、私の話を静かに聞いてくださったのです。

少しずつ気持ちが落ち着き、生きる力が湧いてきて、あの巫女さんにお礼を伝えたくなりました。

そこで神主さんに巫女さんのことを尋ねてみると、「この神社には巫女さんはいません」と言われました。

おそらく、あの巫女さんは神様が私を叱ってくれた姿だったのかもしれない、と私は思います。

巫女さんに言われた通り、明日からは子供の頃に諦めてしまっていた夢を、もう一度追いかけてみようと心に決めました。

神様、巫女さん、神主さん、そして元妻と子供にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

私、頑張ってみようと思います。