「離婚後の絶望」から救った言葉——人生の転機となった“神社の出会い”

離婚直後、絶望の淵に立たされた男性が、近所の神社で経験した不可解な出来事をきっかけに人生の再出発を決意した。
2024年6月、東京都内に住むAさん（仮名・30代）が本紙の取材に応じ、自身の体験を語った。

■離婚、親権喪失——すべてを失った男性
Aさんは先週、妻との離婚が成立。
生活力の不足を理由に子どもの親権も元妻に渡った。
Aさんによると、「何も残らなかった」という喪失感から生活の全てが無意味に感じられ、死をも考えるようになったという。

「適当に死のうかと、何も考えずに自宅周辺を歩いていました」とAさんは当時を振り返る。

■日常の中の非日常——知らなかった神社との遭遇
そんな折、普段から何度も通る道で、これまで一度も気づかなかった小さな神社に目が留まった。
そのときAさんは「どうせならここで」と、境内に足を踏み入れたという。

境内は想像以上に広く、首を吊る場所を探して歩き回っていたところ、突然一人の女性が現れた。
巫女の装束をまとったその女性は、涙を流しながらAさんに「ばかっ！」と声をかけ、彼の肩を叩いた。

Aさんは「何が起きたのか分からず、ただ呆然としていました」と語る。
その女性は「死ぬくらいなら何でもできるでしょ！」と叫び、建物の中に駆け込んでいった。

■涙と対話——神主との出会い
しばらく境内で立ち尽くしていたAさんだったが、感情が溢れ出し自然と涙が流れてきた。
そこへ神主が現れ、Aさんを社務所に招き入れて話を聞いたという。

「自分の気持ちを誰かに話せたことで、だんだんと気持ちが落ち着いていきました」とAさんは明かす。
次第に生きる気力が芽生え、あの巫女に感謝の言葉を伝えたいと思うようになった。

■“居ないはずの巫女”——不可思議な出来事
Aさんが神主に巫女の所在を尋ねたところ、「この神社には巫女はいない」との返答があった。
Aさんは「自分を叱ってくれたのは、もしかしたら神様だったのかもしれない」と語る。

■再出発と感謝の気持ち
Aさんは巫女からの「死ぬくらいなら何でもできる」という言葉を胸に、子供の頃に諦めた夢を追いかける決意を固めた。
「神様、巫女さん、神主さん、そして元妻と子どもにも感謝しています」と語り、今後への前向きな姿勢を見せた。

■専門家の見解——「孤独の中での他者との接点が再生への契機に」
心理カウンセラーの佐藤裕子氏は、「人生の絶望期には、他者からの何気ない声かけや出会いが再生のきっかけとなるケースが多い。
宗教施設や地域のコミュニティも重要な役割を果たし得る」と指摘する。

Aさんのような事例は、現代社会における孤独や心の危機への一つのヒントとなるかもしれない。
今後も本紙は、人生の転機に向き合う人々の声を取材していく予定だ。