怖い話:夕闇に現れた“目を閉じる女”と消えた柴犬の謎

夕闇に現れた“目を閉じる女”と消えた柴犬の謎

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■【起】〜知らない場所、柴犬と僕の夕暮れ冒険〜
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小学校低学年の頃、両親の用事で知り合いのおばちゃん家に一晩預けられた。
見知らぬ土地のその家には柴犬がいて、僕はその犬を連れて散歩に出かけた。

慣れない場所での散歩は楽しくもあり、どこまでも歩いてしまった。
気付けば、すっかり道に迷っていた。

シャイな性格の僕は、誰かに助けを求めることもできず、犬も頼りにならないまま、あたりは次第に夕暮れ色に染まり始めていた。

■【承】〜立ち止まる犬、不気味な空家の庭へ〜
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ふと、道の途中で柴犬が急に動かなくなった。
不安になりながらも、抱き上げて歩き出すと、犬が異様に重く感じた。
右手には二軒続きの空家があり、草が生い茂った庭が広がっている。

当時、昆虫集めに夢中だった僕は、「いい虫がいるかもしれない」と犬を引きずるようにして草むらの中へ入っていった。

夢中で草をかき分けているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。
ふと顔を上げると、空家のほとんどの窓は雨戸が閉まっているのに、玄関の向こう側の窓だけが少し開いていた。

■【転】〜窓辺の女、忘れられない恐怖の瞬間〜
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その窓から、女の人が顔を覗かせていた。
顔立ちは覚えていないが、確かに女だった。
何よりも異様だったのは、両目を閉じたまま顔を左右に振り続けていたこと――その動きが、言いようのない気持ち悪さを放っていた。

全身が凍りつき、「ギョエェェェーー!!」と心の中で叫ぶも声は出ず、腰を抜かしてしまった。
次の瞬間、僕は我に返り、一目散に空家から逃げ出した。

■【結】〜謎の儀式と消えた犬、消えない疑問〜
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気付くと、どうやっておばちゃん家に戻ったのかすら覚えていなかった。
半泣きで空家の女のことを話すと、おばちゃんはなぜか怒りだし、訳も分からないままバリカンで丸坊主にされた。

その後、知らない男の人がやってきて、呪文のようなものを聞かされ、両親も急遽呼び出されて大ごとに。
あの家にも、そして犬にも、もう二度と会うことはなかった。

今でも思い出すたびに、あの女は何者だったのか、なぜあんなことが起きたのか、心に謎と不安だけが残り続けている。
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