○自宅・リビング(夜)
(薄暗い部屋。
机の上に置かれた古びた携帯電話。
窓の外から夜風の音。
BGM:静かにピアノの音が流れ始める)
N:初恋の彼が、もうこの世にいないと知ったのは、二年前の春だった。
○回想・公園(夕方)
(制服姿のサキ(18・素直になれない性格)、ヨウタ(18・笑顔が優しい)が並んで座っている)
サキ:(目をそらして)
……ねぇ、なんか最近冷たくない?
ヨウタ:(少し間を置いて、真剣な面持ちで)
サキ……別れてほしい。
(サキ、驚いてヨウタを見る。
しばらく沈黙)
サキ:(強がって、笑いながら)
……いいよ。
別に。
(ヨウタ、何か言いたげにサキを見つめるが、口を噤む)
○自宅・サキの部屋(夜)
(サキ、ベッドに寝転びスマホを握りしめている。
SE:携帯の着信音)
サキ:(スマホを見て、動揺しながら)
……ヨウタ?
○回想・自宅・サキの部屋(半年前・夜)
(サキ、電話越しに明るく装う)
サキ:
うん、元気だよ。
……彼氏もできて、幸せ。
(目を伏せて、声が震える)
サキ:(心の声)
本当は、そんな人いないのに……。
○自宅・リビング(現在・夜)
(サキ、友人からのLINEを見つめている。
SE:通知音)
N:それから一年後、彼の友人から連絡が来た。
○カフェ(昼)
(友人・マサト(20代・ヨウタの親友)が向かいに座る。
サキは顔を伏せている)
マサト:(静かに)
……ヨウタ、肝臓癌だったんだ。
亡くなったの、一年前。
(サキ、驚きで顔を上げる。
言葉が出ない)
マサト:(封筒を差し出す)
遺言で、一周忌にサキに伝えてほしいって……これ、ヨウタの手紙。
(サキ、震える手で封筒を受け取る)
○サキの部屋(夜)
(机に座り手紙を開ける。
BGMが静かに高まる)
ヨウタ(声のみ、手紙の朗読):
――こんな別れ方しかできなくて、ごめん。
サキには幸せになってほしい。
愛してる――
(サキ、手紙を胸に当てて泣き崩れる)
N:どうして一人で病気と闘ったの?
N:どうして私に、真実を言ってくれなかったの?
○回想・公園(夕暮れ)
(ヨウタの優しい笑顔。
サキは少し涙ぐんでいる)
サキ:(心の声)
私も、あなたと一緒に泣きたかった。
戦いたかった。
○自宅・リビング(夜・現在)
(時間がゆっくりと流れる。
サキ、窓の外の星空を見つめている)
N:二年経った今、ようやく彼の優しさが少しだけ分かるようになった。
N:でも、心はまだ追いつかない。
サキ:(小さくつぶやく、涙をこらえて)
……もう一度だけでいい。
会いたいよ。
優しくしたい。
……愛してる。
(BGM:ゆっくりフェードアウト)
(カメラ、サキの横顔にゆっくりズームイン。
夜空に瞬く星)
N:きっと私は、一生問いかけ続ける。
彼を、忘れることはない――
(画面暗転)
恋愛の話:君に伝えられなかった最後の「愛してる」
君に伝えられなかった最後の「愛してる」
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