笑える話:「愛してる!」と叫んだ、その瞬間から始まる出産劇

「愛してる!」と叫んだ、その瞬間から始まる出産劇

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「愛してる!!愛してるから二人目はあなたが産んでえぇえぇぇ!」
涙ながらに旦那へ訴えたのは、赤ちゃんと出会った直後のことだった。
叫び疲れ、泣き疲れ、それでも顔に浮かぶ安堵と幸福。

だが、その直前まで私は「無理無理!もう出る!出てるよぉ!」と繰り返し、助産師さんへ必死に助けを求めていた。

その時、私は徹夜とあまりの痛みにハイになり、「イヤッホー!陣痛きたーアハァハハ八!!ゴッリッラッ!ゴッリッラッ!」と意味不明な言葉を連発していた。
手には黄緑のテニスボールを握りしめ、「これガチャピンの先っちょ!指の先っちょ!!」などと助産師さんに訴え、「助産師さんキラキラしてますぅ!だから早く子宮口拡げてぇえぇぇ!」と懇願する始末。

その数時間前――
病院は休みで、他に患者は二人だけという静かな夜のはずだった。
なのに私は「痛い!痛い!痛ーい!!フゥー!フゥウ――ゥ!!!!」と病院中に響き渡る大声で叫び、義父に「病院の玄関まで聞こえてる」と呆れられても全く気にしなかった。

思えば、すべての始まりは「静かに呼吸を整え、いきみを逃す自分を想像する」という理想的なイメージトレーニングだった。
あの落ち着いた自分はどこへやら、現実は想像とは全く違うものだった。

しかし、すべてを経て今、腕の中の赤ちゃんはただただ可愛い。
叫びも涙も、すべてはこの瞬間のためにあったのだ。
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