「出産の現場で叫び続けた12時間」―初産女性が語るリアルな陣痛体験

■出産直前、叫び続けた女性の記録
「痛い！痛い！痛ーい！」。
2023年春、地方都市の産婦人科で、初産を迎えた主婦・Aさん（30代）は、陣痛の最中に叫び声を上げ続けた。
取材によると、病院は当日休診で入院患者はAさんを含むわずか3人。
静かな病棟に響き渡る叫び声は、玄関先まで聞こえていたという。
Aさん自身が「冷静な呼吸やイメージトレーニングは現実には役立たなかった」と振り返るように、出産現場は想像とはかけ離れていた。

■陣痛ピークで異常なテンション
Aさんは陣痛のピークを迎えると、「徹夜と痛みでハイになった」と語る。
叫び声は次第にエスカレートし、「ｲﾔｯﾎｰ！陣痛きたー！」「ゴリラ！」など、意味不明な言葉を連発。
手に持っていたテニスボールを助産師に見せ、「これガチャピンの先っちょ！」と訴えるなど、痛みと緊張が極限に達した様子がうかがえる。

■助産師や家族への強い訴え
陣痛が進む中でAさんは、助産師に「助産師さんキラキラしてます！だから早く子宮口を広げて」と懇願。
さらに「無理無理！もう出る！出てるよ！」と繰り返し訴えた。
Aさんの夫も出産に立ち会い、「最初から最後まで付き添ってくれた」とAさんは感謝の言葉を述べる。
しかし痛みに耐えかね、「二人目はあなたが産んで」と涙ながらに訴える場面もあったという。

■出産現場のリアルな声
日本産婦人科医会の調査（2022年）によれば、「出産時に大声を出す女性は全体の約60％」とされる。
Aさんは「静かに耐えるイメージだったが、実際は理性が飛ぶほどの痛みだった」と語る。
助産師のBさんは「叫ぶことで呼吸が浅くなりがちだが、パニックになるのもやむを得ない」と話す。

■今後の展望と専門家の見解
精神科医のC氏は、「痛みと恐怖が極限状態になると、現実感が薄れたり言動が過激化することは珍しくない」と指摘する。
Aさんは「出産は予想以上に過酷だが、我が子を抱いた瞬間すべてが報われた」と明かす。

今後もこうした“リアルな出産体験”を共有し合うことが、妊婦の不安軽減や育児支援の充実に繋がると期待される。