怖い話:弟を呼ぶ謎の番号〜闇に導かれた住所の真実〜

弟を呼ぶ謎の番号〜闇に導かれた住所の真実〜

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○実家・兄弟の部屋(深夜)
(薄暗い部屋。
布団で寝ている兄・タカシ(20代前半・真面目そう)、隣の布団で弟・ユウタ(20歳・明るいが少しだらしない)が寝返りを打つ。
SE:外から帰宅する気配、階段のきしむ音)

N:これは、僕と弟・ユウタに起きた、奇妙な出来事だ。

(タカシ、目を閉じているが物音で薄く目を開ける)

○同・部屋(しばらくして)

SE:ヴーン…ヴーン…(携帯のバイブ音)

(タカシ、寝返りを打つが、再びバイブ音)

タカシ:(イライラしながら起き上がる)
「…うるさいな、誰だよこんな時間に」

(弟・ユウタは爆睡中。
タカシ、弟のスマホを見る)

タカシ:(弟を軽く叩く)
「おい、ユウタ!電話鳴ってるぞ。
早く出ろよ」

(ユウタ、寝ぼけ眼でスマホを見る。
画面に「136」の表示)

ユウタ:(驚いて)
「え?136?何これ」

タカシ:(苦笑しながら)
「そんな番号、知らないけど…とりあえず出てみな」

(ユウタ、ためらいながら電話に出る)

ユウタ:
「…はい。
え?いや…オレに言われても…はい、ちょっと待ってください」

(ユウタ、慌てて机のノートを探しメモを取る)

ユウタ:
「…はい、わかりました」

(電話を切る。
二人、顔を見合わせる)

タカシ:
「何だった?」

ユウタ:(戸惑いながら)
「亡くなってる人の住所を教えるから、そこに行ってくれって。
…警察じゃないのに…とりあえずメモした」

(間。
二人、言葉に詰まり無言)

N:意味が分からず、僕たちは眠りについた。

(画面暗転)

○翌朝・兄弟の部屋

(机の上にメモ。
タカシ、弟のスマホを操作するが「136」からの履歴はない。
二人でスマホを覗く)

タカシ:(困惑して)
「履歴、ないな…」

(タカシ、ノートPCで「136」を検索)

タカシ:
「…これ、電話の履歴案内サービス?でも、直接電話かけてくることなんて…」

ユウタ:(小声で)
「メモの住所、調べてみる?」

(タカシ、住所を入力。
人里離れた場所が表示される)

タカシ:
「…何だこれ。
山の中だな」

ユウタ:(決意を込めて)
「近いし…オレ、友達と行ってみるわ」

タカシ:
「…おう」

(BGM:不穏な旋律)

○夕方・自宅リビング

SE:スマホの着信音

タカシ:
「…ユウタ?」

ユウタ:(電話越し、動揺した声で)
「兄ちゃん…ヤバい事になった。
今、警察にいる」

タカシ:(立ち上がる)
「何があったんだ!?」

N:両親はまだ帰宅していなかった。
僕は急いで警察署へ向かった。

○警察署・待合室(夜)

(ユウタと友人2人が沈黙して座っている。
タカシが駆け寄る)

タカシ:(息を切らせて)
「大丈夫か!?何があった?」

ユウタ:(目を伏せて)
「…廃墟があって、中を探してたら…本物の骨、見つけた」

友人A:(顔面蒼白で)
「マジで、人の骨だった」

タカシ:(凍りつく)
「…警察に通報したんだな?」

ユウタ:
「うん。
事情聴取でここに連れてこられて…保護者が来るまで帰れないって」

N:警察には「心霊スポット巡りのつもりで偶然見つけた」と説明した。

○その夜・実家・兄弟の部屋

(ユウタ、布団にうずくまり目を閉じている。
タカシは不安げに隣を見ている)

N:それから、弟に異変が起こり始めた。

○数日後・リビング(夜)

(ユウタ、テレビを見ている。
突然、表情が曇る)

ユウタ:(青ざめて)
「今、テレビに…変なの映らなかった?」

(タカシ、録画を巻き戻して確認するが、何も異常なし)

タカシ:(困惑して)
「何も映ってないぞ」

ユウタ:(震える声で)
「女の人の影…見えたんだ」

(BGM:不安な音色)

N:両親に相談しても、まともに取り合ってもらえなかった。

○数日後・実家・廊下

(ユウタ、怯えた表情で)

ユウタ:(声を震わせて)
「また見えた…女の影。
外にも出たくない…」

N:弟は次第に外出を拒み、風呂や洗面所にも行けなくなった。

タカシ:(神社のお守りを持ち、ユウタの机にそっと置く)

N:僕は神社でお祓いを受けさせ、友人たちにも相談した。
だが状況は悪化するばかりだった。

○除霊当日・実家・和室

(霊能力者の女性3人が正座し、ユウタを囲む。
お経が響く)

SE:鈴の音、祈祷の声

(長い沈黙の後、霊能力者・ミワ(40代・落ち着いた雰囲気)が口を開く)

ミワ:(静かに、真剣な表情で)
「除霊は終わりましたが…失敗しました。
霊が強い念を訴えていますが、何を望んでいるか分かりません。
会話が成立しない状態です。
何かを叶えれば成仏するはずですが…」

(ユウタ、絶望したように顔を伏せる。
タカシも涙をこらえる)

N:もう弟は助からないのではないか…そう思うと、涙が止まらなかった。

(間)

N:それでも諦めきれず、僕は警察署へ向かった。

○警察署・相談窓口

(タカシ、必死の表情で)

タカシ:
「…お願いです。
あの遺体について、少しでも教えてください」

(担当刑事・サトウ(50代・無口)が渋々口を開く)

サトウ:
「若い女性の遺体だ。
死因は首吊り…かなり前のことだ。
廃墟の関係者もみんな他界してる。
…調べようがない」

○廃墟・現場付近(曇天の昼下がり)

(タカシ、線香と花束を手に、廃墟の前に立つ。
周囲は静寂)

(タカシ、線香に火をつけ花を供える)

タカシ:(涙をこらえ、手を合わせて)
「…どうか、成仏してください…お願いします…」

(BGM:切なさと安堵の入り混じった旋律)

SE:かすかな女の声「ありがとう…」

(タカシ、驚きで顔を上げる。
凍りつき、全力で走って廃墟を後にする)

○数日後・実家・リビング

(ユウタ、明るく笑いながらテレビを見ている。
タカシ、安堵の表情でその様子を見守る)

N:驚くことに、それから弟はみるみる元気を取り戻した。
女の影も、すっかり見えなくなった。

○自宅・ダイニング(夜)

(タカシ、ユウタにそっと尋ねる)

タカシ:
「なあ…心当たりとか、ないのか?」

ユウタ:(首を傾げて)
「全然。
強いて言えば…ゼミの研究であの辺に行ったことがあるくらい…」

(間。
二人、顔を見合わせて微笑む)

N:あの遺体は、誰かに供養してほしかっただけなのかもしれない。
発見されずに苦しみ続けた魂が、助けを求めて弟を選んだのだろう。

(BGM:静かにフェードアウト)

(画面暗転)
読了
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