ある平日、釣り好きの私は人けのない地元の岩場で海釣りを楽しんでいた。
崖上から深い海を覗きつつ、午前も午後も釣果は振るわず、日が暮れる前に帰ろうとしたその時、水面下に巨大な黒い影が現れる。
イカの大群かと糸を投げると、激しい力で引かれ、必死にリールを巻いたが、奇妙な違和感を覚える。
岩場に竿を固定し覗き込むと、そこには無数の人の手が糸にしがみつき、苦悶の表情でこちらを見ていた。
恐怖で動けずにいると、竿は外れ海に消えた。
霊たちは私を海に引きずり込もうとしていたのだ。
慌てて撤収し、後からこの場所が自殺の名所と知る。
以来、岩場に近づくことはなくなった。
怖い話:岩場の釣り場で出会った恐怖——垂直の崖と黒い影
岩場の釣り場で出会った恐怖——垂直の崖と黒い影
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