釣り人が体験した“岩場の怪異”　自殺名所での不可解な出来事とは

【リード】
6月某日、地方都市の海岸沿いにある岩場で、趣味で海釣りをしていた男性Aさん（仮名）が、不可解な現象に遭遇した。
現場は地元では「釣れる穴場」として知られていたが、一方で自殺の名所でもあった。
Aさんが体験した「人の手が海中から現れる」という出来事は何だったのか。
現地取材と専門家の見解から、現場の実態に迫る。

■釣り人を襲った想定外の出来事
Aさんは平日の午前、地元の釣り愛好家の間で知られる岩場を訪れた。
この岩場は、「知る人ぞ知る釣りスポット」として好評を集めていたが、崖のように高く、海面まで垂直に切り立った地形が特徴だ。
Aさんによれば、「水深も深く、当日は他の釣り人も少なかった」という。

午前・午後ともに釣果は振るわず、帰宅を考え始めた夕方、海中に「黒い大きな影」が現れた。
Aさんは「イカの群れ」と判断し、釣り糸を投げ入れたところ、すぐに強い引きがあった。
「これは大物だ」とリールを巻き続けたが、不規則かつ強い抵抗に違和感を覚えたという。

■「無数の手」が糸を掴む
抵抗に苦戦したAさんは、竿を岩の隙間に固定し、様子をうかがった。
群れの正体を確認しようと海を覗き込むと、「イカではなく、無数の人の手が糸を掴み、必死に上がろうとしていた」光景が広がっていたという。
Aさんは「地獄から這い上がる怨霊のようだった」と当時の状況を振り返る。

Aさんと「全身で糸にしがみつく男」が目を合わせた瞬間、固定していた竿が突然外れ、海に落下。
「霊たちは魚を釣るのではなく、私を海に引きずり込もうとしていたのかもしれない」と語る。
Aさんはすぐに道具をまとめ、現場を後にした。

■現場は「自殺の名所」だった
後日、Aさんが現地の住民に話を聞いたところ、問題の岩場は「自殺の名所」として知られていたことが判明した。
地元警察への取材でも、過去に複数の自死が確認されている。
「夜間や早朝には不可解な現象を見たという声も少なくない」と釣り仲間のB氏は話す。

■専門家の見解：「心霊現象」か「錯覚」か
怪異現象について、心霊現象研究家の佐藤直樹氏は「強いストレスや疲労、自然現象が重なると、錯覚や幻覚を体験することがある」と指摘する。
一方で、「自殺が多発した場所では、土地にまつわる心理的影響も無視できない」との見解を示す。

■今後の注意喚起と読者への問いかけ
Aさんは「以来、岩場で釣りをすることはなくなった」と話す。
地元自治体も、同様の事故やトラブルを防ぐため、釣り客や観光客への注意喚起を強化している。
信じるかどうかは読者次第だが、自然と人間の記憶が交差する場所では、予期せぬ出来事が起こり得ることを忘れてはならない。

（関連情報：全国の心霊スポット・自殺名所の現状と対策については別記事参照）