「新婚教師が仕掛けた謎の“こたつ事件” －私はなぜ縛られそうになったのか」

二人がかりで、細いロープのようなもので私を縛ろうとしていた。
こたつの中で目を覚ました私は、驚きと恐怖で必死に暴れ、やっとの思いで家に逃げ帰った――もしあのまま縛られていたら、どうなっていたのだろう。

その直前、私は新婚の先生夫婦の部屋で、気づかないうちに眠ってしまっていた。
優しく「早く早く」と声をかけられて目を覚ますと、状況は一変していた。
奥さんは笑いながら「顔が赤くなってきたわ」と言っていたが、私はただただ怖くて、なりふり構わず逃げ出した。

そもそもこの日、私はいつものように遊びに行っただけだった。
先生たちはとても優しく、小学校の教師ということもあり、家族で住むアパートの隣人としてすぐに打ち解けていた。
私は彼らの部屋によく遊びに行っていたのだ。

今思えば、あの日の午後もごく普通の始まりだった。
こたつの温かさに誘われてつい寝入ってしまい、まさかそんな目に遭うなんて夢にも思わなかった。
あの新婚さんたちが、なぜ私を縛ろうとしたのか――今でもその理由は分からない。
もしかすると、何かの冗談だったのかもしれないし、あるいはまったく別の意図があったのかもしれない。

結局、真相は闇の中だ。
時が経った今でも、あの「こたつ事件」の意味を考えると少しぞっとする。
あれは単なる悪ふざけだったのか、それとも――。