優しいはずの隣人夫妻――こたつの記憶と消えぬ疑念

■【起】〜新婚教師夫妻との穏やかな日々〜
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小学校2、3年生の頃、私は家族とアパートのような場所で暮らしていました。
ある日、隣の部屋に若い新婚夫婦が引っ越してきます。

二人とも小学校の先生で、とても優しく、私はすぐに打ち解けて、よく遊びに行くようになりました。
新しい生活に、温かな交流が加わったことが子ども心にもうれしかったのを覚えています。

■【承】〜親しみと油断、日常の中の異変〜
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新婚夫婦の部屋は、私にとって安心できる場所でした。
ある日も、いつものように彼らの部屋を訪れ、こたつでくつろぎます。
楽しい時間を過ごしているうちに、私はうとうとと眠ってしまいました。

このときは、何も疑うことがありませんでした。
二人は優しく、家のような親しみがあったからです。

■【転】〜こたつの中の恐怖、目覚めた瞬間〜
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ふと、「早く早く」という声で目を覚ましました。
目の前には、あの新婚夫妻が二人がかりで私を細いロープのようなもので縛ろうとしている姿がありました。

私は恐怖で必死に暴れ、なんとかその場から逃げ出します。
奥さんの「顔が赤くなってきたわ」という笑い声が、今でも耳に残っています。

■【結】〜消えぬ疑念と心に残った影〜
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私は家に駆け戻り、無事だったものの、あのとき縛られていたらどうなっていたのか、今でもわかりません。

優しかったはずの新婚教師たちは、あのとき一体何をしようとしていたのか――。
時が経った今も、その疑問と、こたつの中の不穏な空気だけが心の奥に残り続けています。