○自宅・リビング(昼)
登場人物:
ユミ(32・気弱だが芯は強い主婦)
トメ(68・近距離別居の義母・口うるさいが憎めない)
トメ友(67・トメの友人・陽気だがやや無神経)
(窓から柔らかい陽射しが差し込む。
ユミ、台所で昼食の支度をしている)
SE:ピンポーン(インターホンの音)
ユミ:(ため息をついて、エプロンを整える)
○同・玄関
(ユミ、ドアを開ける。
そこにトメとトメ友)
トメ:(明るく)(玄関に入るなり)
「ユミちゃん、また急に来ちゃってごめんねぇ~」
トメ友:(にこやかに)
「お邪魔しまーす! なんかいい匂い!」
ユミ:(作り笑いで)
「いえ…どうぞ、上がってください」
(間)
○同・リビング(続き)
(トメ、早速バッグを置き、トイレへ向かう)
トメ:(小声でトメ友に)
「ちょっと…お手洗い、先に借りるわね」
トメ友:(大きな声で)
「また? お昼前に必ずなのねぇ」
(ユミ、苦笑しながらキッチンに戻る)
○同・トイレ前・廊下
(トメ、トイレのドアを開けて入る)
SE:トイレのドアが閉まる音
N:ユミは、密かにウォッシュレットの設定を“最強”にしていた。
○同・キッチン
(ユミ、カレー鍋をかき混ぜながら、そっと耳を澄ます)
SE:突然、トイレから悲鳴
トメ:(トイレ内、絶叫)(SE:あにゃゃゃーっ!)
ユミ:(驚いて)(手が止まる)
トメ友:(驚き、席を立ちかける)
「えっ、何? どうしたの?」
○同・廊下
(トメ、慌ててトイレから飛び出してくる。
ズボンがかなり濡れている)
トメ:(顔を真っ赤にして)(うつむきながら)
「ちょ…ちょっと…ウォッシュレットが…」
トメ友:(目を丸くして)(半笑いで)
「なにそれ! 子どもみたいになっちゃってるじゃないの!」
(トメ、怒りを抑えて睨みつける)
トメ:(声を震わせて)
「だって…こんなの、普通じゃないでしょ!」
トメ友:(からかうように)
「ほらほら、偉そうにしてても、たまには失敗するのねぇ~」
(間)
(トメ、悔しそうに口を尖らせる)
トメ:(怒り気味に)
「もう、うるさいわね! あなたには関係ないでしょ!」
トメ友:(売り言葉に買い言葉で)
「何よ、その言い方! だから友達が減るのよ!」
(激しい口論になる)
SE:二人の怒鳴り合い
ユミ:(リビングの隅で、困った顔)(何も言えずに見守る)
○同・玄関(数分後)
(トメとトメ友、それぞれ怒りに満ちた顔で靴を履く)
トメ:(吐き捨てるように)
「もう帰るわ!」
トメ友:(憮然としながら)
「私も!」
(バタン、と玄関のドアが閉まる)
SE:ドアが閉まる音
○同・リビング(静寂)
(ユミ、カレー鍋を見つめて、ふっと肩の力を抜く)
N:いつも嫁の心得を語っていた二人の友情は、あっけなく崩れた。
○数日後
(ユミ、静かな部屋で一人、コーヒーを飲む)
N:それから二週間、彼女たちからの連絡はない。
(窓の外を見つめて)
N:いつまでこの静けさが続くのかはわからない。
でも今は、平和だった。
(ユミ、微笑みながらキッチンの棚を開け、激辛カレー粉とキムチうどんの素を見つめる)
ユミ:(心の声)(小さくガッツポーズ)
(ちょっとした脅しのつもりが、予想以上の効果だったみたい…)
(BGM:静かに明るく流れ始める)
(フェードアウト)
スカッとする話:昼下がりの静寂―義母たちの友情に綻びが走る日
昼下がりの静寂―義母たちの友情に綻びが走る日
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