夜の神社、隠された真実と包丁を持つ影

○主人公・自宅の部屋（夜）
N：俺の名はユウタ（25・オカルト好き）。
この夜、思いもよらぬ再会が始まろうとしていた。

（ユウタ、机でオカルト雑誌を読んでいる）
SE：スマホの通知音

○自宅・リビング（夜）
（ユウタ、スマホを手に取りメッセージを確認）

A（24・物静かで何を考えているかわからない男）からのメッセージ
「今夜、○△神社のこと、話したい。
来てくれないか」

（ユウタ、少し戸惑いながらも苦笑する）
ユウタ：（心の声）Aとはあまり親しくない。
…俺がAの彼女を奪ったこと、まだ知られていないはずだが…。

○回想・居酒屋（数ヶ月前）
（Aの彼女と楽しそうに話すユウタ、その様子を遠くから見つめるA）
（BGM：不穏な旋律）

○現実・自宅（夜）
（ユウタ、深呼吸してスマホを握りしめる）
ユウタ：（心の声）でも…オカルトの話なら断れない。

○○△神社・参道前（深夜0時40分）
（神社は山の麓にひっそりと佇む。
月明かりが薄暗い参道を照らす）
SE：虫の声、遠くで犬の鳴き声

（ユウタ、周囲を見回しながら歩く）
ユウタ：（心の声）（興奮を抑えきれず、笑みを浮かべて）普段なら誰も行きたがらない時間だけど…こういうのがたまらない。

（ユウタ、階段を見上げるが、50段の階段は避けて林の中へ）
ユウタ：（心の声）秘密の抜け道、誰にも知られていないはずだ。
今日こそ幽霊に会えるかもしれない――。

○神社・林の中の小道（深夜）
（ユウタ、慎重に足音を忍ばせて進む）
SE：木の葉が揺れる音

（腕時計を見る。
午前0時40分）
ユウタ：（小声で）…早く着きすぎたかな。

（周囲を見渡すユウタ。
ふと、階段の上に人影が浮かび上がる）
SE：ヒュウ…と風の音

（ユウタ、息をのむ）
ユウタ：（声をひそめて、驚きと興奮を隠せず）…まさか、本当に霊が！？

（カメラ、階段上の人影にズームイン。
人影が微かに動く）

（ユウタ、足音を殺してさらに近づく）
（人影がちらりとこちらを見て、何か光るものを持っている）

SE：金属が擦れる音

（ユウタ、凍りつく）
ユウタ：（心の声）…包丁？　なんで、こんなところに…

（人影、顔を見せる。
Aだった）
（A、包丁を胸に隠しながら、冷たい目でユウタを見つめる）

A：（低い声で、静かに）
「…来たんだな、ユウタ」

（ユウタ、息を呑んだまま動けない）
ユウタ：（声を震わせて）
「A…？　何してるんだよ、そんなもの持って…」

（間。
二人、見つめ合う。
空気が凍りつく）
SE：遠くでカラスの鳴き声

N：この夜、俺は「真夜中の幽霊」より、もっと恐ろしいものを見たのかもしれない――。

（フェードアウト）