親しくない友人との不思議な夜、神社で出会ったもの

もしかすると、僕のオカルト趣味がきっかけだったのかもしれません。
普段あまり親しくしていなかった友人Aが、ある日ふいに近づいてきました。
実は、以前Aの彼女を僕が奪ってしまったことがあり、それ以来どうしても少し気まずさを感じていたのです。
ただ、Aはまだそのことを知らないようでした。

―俺、○△神社で幽霊を2回見たんだ。
おまえ、近所だろ？夜中の1時は避けたほうがいいぞ。

こんな話、普通なら昼間でも近づきたくない場所かもしれません。
しかし、僕の場合は逆で、むしろ心が躍ってしまい、すぐにでも行きたくてたまらなくなってしまったのです。

その神社は山に囲まれた静かな場所にあり、通常は50段ほどの階段を上って参拝します。
でも僕は、昔から知っている林を抜ける秘密の道を選びました。
慣れた道だからこそ、もし幽霊が現れても、こっそりと近づけるかもしれない、そんな期待があったのです。

時計を見ると、まだ約20分前でした。
「早く来すぎたかな〜」と周囲を見回したその時、階段の上に人影が見えました。

―霊キタコレ〜

と、胸が高鳴ったその瞬間です。
それはなんと、包丁を持って隠れているAだったのでした。