「コンビニトイレ駆け込み事件」運転手の切迫した実態――現場で何が起きたのか

【2024年6月某日、東京都内】――深夜のコンビニエンスストアで、トラック運転手が突然トイレを求めて駆け込む一幕があった。
店内にいた利用客や店員が一時騒然となったこの出来事について、現場取材と関係者への聞き取りから実態を明らかにする。

■トイレ使用巡り、深夜の騒動
事件が発生したのは、平日深夜1時ごろ。
都内某所のコンビニエンスストアに立ち寄っていた男性客Aさん（仮名）は、「突然、トラック運転手とみられる男性が店に駆け込んできた」と証言する。
運転手は「トイレ、借ります！」と大声で店員に伝え、そのままトイレへと急行した。

しかし、トイレはすでに使用中。
慌ててドアノブを回そうとしたものの入れず、運転手は「なんだよ！」と声を荒げた。
その直後、店内には強烈な悪臭が漂い始め、周囲の利用客も異変に気付いたという。

■現場の利用客が語る「切迫した様子」
Aさんによると、「運転手は額に汗を浮かべ、明らかに切迫した様子だった」と回想する。
トイレの前で立ち尽くしたまま呆然とする運転手の姿が印象的だったという。

「とにかく緊急事態だったのだろう。
自分は知人に『しばらくトイレから出ない方がいい』とメッセージを送り、店を後にした」と述べた。

■背景に「トラック運転手の過酷な労働環境」
物流業界に詳しい労働問題アナリストの田中健一氏は、「長距離運転手はトイレ休憩を十分に取れない状況が多く、こうしたトラブルは決して珍しくない」と指摘する。

また、全日本トラック協会の調査によれば、運転手の約6割が『トイレに行きたくても立ち寄れないことがある』と回答している。

■コンビニ側の対応と今後
店舗オーナーは「トイレの利用希望が重なることはあるが、今回のように騒ぎになるケースはまれ」と話す。
一方で、「利用ルールの見直しや、多目的トイレの設置が必要かもしれない」とも語った。

■専門家「社会的インフラの整備が急務」
田中氏は「今後はドライバーだけでなく、すべての利用者が安心して利用できるトイレ環境の整備が求められる」と提言する。

労働環境の改善やトイレインフラの拡充について、社会全体での議論が必要となりそうだ。

（参考：全日本トラック協会「長距離運転手の実態調査」2023年版）