深夜の工事現場で「謎の人影」目撃　元警備員が語る不可解な体験の全貌

■深夜の裏道で発生した不可解な出来事
2021年夏、都内某所で夜間警備を担当していた元警備員A氏（30代男性）は、深夜の工事現場で「説明のつかない人影」に遭遇したという。
A氏への取材で明らかになったその一部始終を追った。

■普段と異なる静寂の現場
A氏が担当していたのは、国道沿いの騒がしい工事現場が主だった。
しかし、ある日、臨時の水道工事のため車両通行止めとなった裏道に配置されることになった。

「普段より静かで、落ち着いて仕事ができる環境だった。
うるさい先輩もおらず、ラッキーだと感じていた」とA氏は振り返る。

■午前2時半、不審な人影が出現
その日の業務は、工事区域への車両侵入を防ぐというシンプルな内容だった。
A氏は交差点の見通しの良い場所に立ち、周囲の安全を見守っていた。

最初の1時間ほどで通行車両は2台のみ。
やがて人影も車も途絶え、住宅街は静寂に包まれた。

「『サボり放題だな』と気を抜いた瞬間、工事区画のマンホール付近で異様な雰囲気を感じた」という。

■異様な挙動　動かぬ男の正体とは
A氏が現場を確認すると、蓋の開いたマンホールのそばに人影があった。

「男が半身を穴に入れたまま、じっと中を覗き込んでいた。
赤い誘導棒の光で顔が等間隔に照らされ、不自然な笑みを浮かべていたように見えた」とA氏。

声を掛ける間もなく、男はこちらに気づく様子もなかったという。

「顔は歪んでいて、どこか憎しみのような感情を感じた。
危険を察知し、その場から離れた」と証言する。

■男は忽然と姿を消す
その直後、大通りから車が入り、ヘッドライトで現場が照らされた。
A氏が再度マンホールを確認すると、男の姿は消えていた。

「人間だったのかどうかも分からない。
夜明けまでその交差点を離れずにいたが、再び現れることはなかった」とA氏は語る。

早番の同僚とともにマンホール内部を確認したが、異常は見られなかったという。

■背景にある夜間警備の孤独とリスク
夜間の工事現場では、酔客や不審者が立ち入るケースも稀ではない。
警備業界団体の調査によれば、夜間警備員の約15%が「不可解な出来事」に遭遇した経験があると回答している（2020年 警備業協会調べ）。

A氏は「それ以来、マンホールを見るだけで気分が悪くなるようになった。
もし同じ状況に遭遇したら、即座に離れるべき」と警鐘を鳴らす。

■専門家「リスク察知と安全確保が重要」
心理学者の田中健一氏は、「夜間の単独警備は心身に大きな負荷をかける。
不可解な現象に直面した場合、自己の安全を最優先に行動することが重要」と指摘する。

今後も、夜間警備員の現場安全と精神的ケアの必要性が問われそうだ。

読者の皆さんも、深夜の無人現場で異変を感じた際は、冷静かつ迅速な対応を心掛けていただきたい。