車でショッピングセンターへ向かう途中、ふと視界に入った古い病院。
雨雲が空を覆い、昼間にもかかわらずあたりは薄暗く、雷鳴が響いていました。
ふだんは気にも留めないその病院の、鉄格子がはまった2階の窓から、突然パジャマ姿の男性が顔を出して叫んでいたのです。
「助けてくれぇぇぇーーー!殺されるぅぅぅーーー!」
その光景は、私の心に強烈な恐怖と衝撃を残しました。
家に帰っても不安は消えず、親にも聞けず、ネットで調べてみると、それは精神科の病院であることがわかりました。
「そうだったのか」と、少しだけ安心する気持ちと、でも消えない怖さが混じり合います。
「精神疾患の人を差別したいわけじゃないけれど…」そんな葛藤も生まれました。
この経験から、私が感じた教訓は一つではありません。
表面的には「知らないものへの恐れ」は誰でも抱くという当たり前のことです。
しかし、もう一歩踏み込むと、「私たちは”見えない壁”で、他者と自分の世界を無意識に分けてしまう」ことに気づきます。
鉄格子や地下の構造、暗い天気という外的な要素が、心の中の”壁”をより強固にしていたのかもしれません。
この話は、他者の苦しみや叫びに直面したとき、私たちがどう感じ、どう向き合うのかを問いかけているように思います。
もしかすると、「怖い」と感じた自分を責めるのではなく、「なぜ怖いのか」「何が自分にそう感じさせたのか」を静かに見つめることが大切かもしれません。
そして、その先に、「自分とは違う立場の人の現実を想像してみること」「知ることで壁を少しずつ低くしていくこと」が、人生を豊かにするヒントになります。
もしこの経験を日常に活かすなら――
・知らないことに出会ったとき、まずは一歩立ち止まって「自分は何を怖れているのか?」と問いかけてみる
・本やネットなどで背景や理由を調べてみる
・自分と異なる人の立場や気持ちを想像してみる
――そんな小さな一歩が、「見えない壁」を溶かし、共感の心を育ててくれるかもしれません。
人は時に、自分の知らない世界や、理解できない苦しみを「怖い」と感じてしまいます。
それは自然な反応です。
でも、その「怖さ」をきっかけに、少しだけ心の目を開いてみると、世界は思ったより優しく、広いものに変わるかもしれません。
あなたにも、思い当たる経験がありませんか?
見知らぬものに出会ったとき、どんな気持ちが湧いたでしょうか。
その気持ちを大切にしつつ、一歩踏み出すことができれば、きっと人生のどこかで役立つはずです。
怖い話:「見えない壁の向こう側に気づくとき──恐れと共感が教えてくれること」
「見えない壁の向こう側に気づくとき──恐れと共感が教えてくれること」
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