○自宅・リビング(夜)
N:投稿の流れを無視してしまい、申し訳ありません——。
(主人公・佐藤誠〈36歳・疲れた表情〉がソファに沈み、手帳を開く)
誠:(心の声)…これが創作だと笑われてもいい。
けど、誰かに聞いてほしいんだ。
(BGM:静かにはじまる)
○回想・自宅(10歳の頃・夜)
(SE:夫婦喧嘩の怒鳴り声、テレビの音が消える)
N:最初に“あちら”へ行ったのは9歳か10歳の頃。
家は崩壊寸前だった。
○同・誠の部屋(夜)
(誠〈子供時代〉、布団に潜り込む。
目を閉じるが、うっすら涙)
(SE:静寂――時計の針だけが響く)
○同・外の道(夜明け近く)
(誠、ふらふらと外に出ていく)
○異世界・森(薄明)
(森の中、朝靄。
誠が迷い込む。
葉をかき分ける音)
N:気づけば、見知らぬ森を歩いていた。
誠:(心の声)(不安げに)ここは…どこだ…?
(しばらく歩く誠。
SE:鳥のさえずり、足音。
夕暮れが近づく)
○異世界・集落(夕方)
(老婆〈70代・異国風の服〉が微笑みながら近づく)
老婆(片言の日本語):コッチ、オイデ。
誠:(驚いて)(一歩後ずさるが、誘われるままについていく)
○老婆の家・室内(夜)
(囲炉裏。
古びた土間。
老婆の家族と子供たち〈5人・元気〉が笑いながら迎える)
N:暖かい家庭を、僕は知らなかった。
(誠、戸惑いながらも子供たちと遊び始める。
笑顔が戻る)
○同・集落(3日後・昼)
(誠、子供たちに呼ばれ外へ出る。
ふと、世界が揺らぐ)
○自宅・玄関(夜)
(誠、ぼんやりと立っている。
SE:玄関のドア開く)
母(30代・やつれ気味):誠!なにしてんの!?
誠:(はっと我に返る)(服が泥だらけ、腕に蔦の傷)
N:夢だったのか。
けど、確かに痕は残っていた。
(BGM:切なげにフェードアウト)
○数ヶ月後・自宅(昼)
N:結局、両親は離婚し、母の実家に引き取られた。
○回想・高校卒業後の上京(東京・夜)
N:10年以上経ち、あの記憶はリアルな夢だと思っていた。
(誠〈23歳・やつれた表情〉、ブラック企業の事務所で残業、ため息)
(先輩〈30代・強面〉が金をせびる。
誠はしぶしぶ財布を渡す)
○自宅・アパート(夜)
(誠、焼酎を手に一人座る。
SE:グラスに注ぐ音)
誠:(心の声)(沈んだ声)もう、どうでもいいや…。
(突然、視界が歪む)
○異世界・森(夜)
(誠、再び森の中に立っている。
息を切らし、きょろきょろする)
誠:(動揺して)ここ…また、あの場所?
(若い女性〈20代・快活で芯の強そうな瞳〉が現れる)
女性(片言の日本語):ダイジョウブ…?
誠:(目が合い、驚きながらも安堵)
○異世界・村(昼)
(誠、女性に導かれ村へ。
前に訪れた場所と同じ)
N:現実が酷すぎて、もうどうでもよくなっていた。
(村人たちと過ごす日々。
誠、表情が和らぐ)
○女性の家・室内(夜)
(囲炉裏を囲み、女性と向かい合う。
誠、女性の生い立ちを聞く)
女性:(遠くを見る)ワタシ、親、幼い時ニ…亡クナッタ。
誠:(そっと手を重ねる)(心の声)この人となら…生きていけるかもしれない。
(2人、距離が縮まる。
村人たちがからかう声)
○村の広場(昼)
(誠、村で暮らす日々。
笑顔が増える。
女性と手をつなぐ。
BGM:あたたかい調べ)
○自宅・アパート(夜)
(誠、突然ベッドの上で目覚める。
SE:息を荒げる)
N:現実に戻っていた。
あの世界の彼女には、もう会えない。
誠:(枕を抱きしめて、声を詰まらせて)…どうして…!
○数年後・地方都市(昼)
N:年月が経ち、僕は36歳になっていた。
(誠、地味なスーツ姿。
どこか疲れ切っている)
○自宅・リビング(夜)
(妻〈30代・美人だが冷たい〉が荷物をまとめて出ていく。
SE:ドアが閉まる)
誠:(うなだれて)(心の声)何も変わらない…また、ひとりだ。
N:妻の策略で離婚。
生きる意味を見失いかけていた。
○夜道(深夜)
(誠、スーツ姿でとぼとぼ歩く。
SE:遠くで犬が吠える)
誠:(心の声)あの世界に、ずっといたい…。
(視界がふっと暗転する)
○異世界・森(夜)
(誠、ふたたび森に立つ。
走り出す)
誠:(涙ぐみながら)戻ってきた…!
○村・女性の家(夜)
(少女〈9歳・やや警戒心の強い瞳〉が戸口に立つ)
誠:(しゃがみ込んで)あの…お母さんは…?
少女(片言の日本語):オカアサン、ビョウキデ…
N:少女は警戒を解かず、村人たちも冷たい視線。
○村の長老の家(夜)
(誠、頭を下げて頼み込む)
誠:(声を震わせて)迷って来てしまったんです。
ここで住ませてください。
(長老〈60代〉がゆっくり頷く)
○村・日々の暮らし(モンタージュ)
(誠、少女の世話を始める。
少女の母が亡くなり、誠が涙をこらえながら少女の手を握る)
N:少女に出会った時、僕は気づいた。
彼女は昔の恋人であり、かつての老婆だったことを——。
(BGM:静かに高まる)
○村・数年後(夕暮れ)
(少女が少しずつ成長していく。
誠はそっと見守る)
N:3年は長いようで、あっという間だった。
○村・家(夜)
(20代になった少女。
誠の姿はもうない)
N:三度目の別れ。
運命は、僕を許さなかった。
(誠、突然、現実の世界へ戻る)
○自宅・リビング(夜)
(誠、鏡の前で自分を見る。
白髪、深い皺、日焼けした肌)
誠:(呆然と)(心の声)こんなに、変わってしまったのか…。
(SE:スマホの着信音・会社から)
N:無断欠勤で叱られたが、それだけだった。
3年の月日は、僕の身体にだけ刻まれていた。
○病院・待合室(昼)
(医師〈50代〉が書類を見ながら話す)
医師:ストレスが原因でしょう。
しばらく休みなさい。
誠:(俯く)(心の声)——あの世界に行けないなら、生きている意味なんて…。
○自宅・リビング(夜)
(誠、手帳を閉じる。
SE:ページをめくる音)
N:夢だったのか。
それとも現実だったのか。
誠:(深いため息)(心の声)…でも、身体に残ったこの傷は、夢じゃない。
(BGM:静かに、切なげに)
誠:(独白)もし、もう一度あの世界に行けるなら…。
(遠くを見つめて)
最初に出会った時、老婆が「最近、夫が亡くなった」と言っていた——。
もしかしたら、4回目にあの世界へ行って、天寿を全うした僕自身だったんじゃないか…?
(長い沈黙)
N:未来に希望はない——だけど、そんな妄想だけが、今も僕を生かしている。
(BGM:フェードアウト)
不思議な話:異世界の森で、僕はもう一度生き直す——三度の邂逅と喪失の記憶
異世界の森で、僕はもう一度生き直す——三度の邂逅と喪失の記憶
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