感動する話:母の愛は、いまも私の背中を押してくれる

母の愛は、いまも私の背中を押してくれる

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○自宅・リビング(夜)
SE:テレビの音が微かに流れている

N:高校時代、私は母に、何気なくこんなことを聞いた。

○回想・自宅・ダイニング(10年前・夜)

登場人物:ミカ(17・高校生、やや生意気)、サチコ(42・母親、働き者で優しい)

ミカ:(箸を持ちながら、ふと)
「ねぇ、お母さん。
天国にどんなシーンを持って行きたい?」

サチコ:(即座に、穏やかな笑顔で)
「アンタが生まれた瞬間かな」

(ミカ、驚いて母を見る。
サチコはゆっくり味噌汁をすする)

N:私たちの家は、決して裕福じゃなかった。

○回想・自宅・玄関(朝)
SE:制服のスカートを直す音

ミカ:(うつむきながら靴を履く)
「…行ってきます」

サチコ:(優しく見送る)
「いってらっしゃい」

N:それでも母は、男の子が苦手な私のために、無理して私立の女子校に通わせてくれた。

○回想・学校・職員室前の廊下(放課後)
SE:ドアが開く音

ミカ:(不安そうに母を見る)
サチコ:(校長に頭を下げる)
「ご迷惑をおかけして、すみません」

N:成績が悪い私のため、母は何度も学校に呼ばれていた。

○回想・夜の自宅・机
SE:参考書をめくる音

ミカ:(机に突っ伏している)
サチコ:(そっと毛布をかける)

N:受験がないのに、塾にも通わせてくれた。
家計に余裕がないのに、私は母の苦労も考えず、反抗ばかりしていた。

○回想・リビング(夜)
SE:ドアを強く閉める音

ミカ:(怒りながら部屋を出ていく)
サチコ:(ため息をつき、涙ぐむ)

N:たくさん心配をかけ、何度も母を泣かせた。

○自宅・リビング(夜・現在)

ミカ:(ソファに座り、窓の外を見つめて)
(BGM:静かに流れ始める)

N:それでも母の支えで、私は夢だった幼稚園の先生になった。
ようやく家にお金を入れるようになった。

○回想・職場・幼稚園(昼)

ミカ:(園児と遊びながら、充実した表情)

○自宅・キッチン(夜)

ミカ:(母に封筒を差し出す)
「…少しだけど、生活費」

サチコ:(微笑み、封筒を受け取る)
「ありがとう」

N:でも、計画もなく妊娠した。

○自宅・リビング(数ヶ月後・夜)
SE:雨音

ミカ:(泣きながら電話をかける)
「…産みたい。
でも、一人じゃ無理」

サチコ:(電話越しに、怒りと涙をこらえて)
「何してるの!…(間)…でも、アンタの気持ち、分かった」

(沈黙。
サチコ、受話器を強く握りしめる)

サチコ:(声を震わせて)
「私にまだ子宮があれば、代わりに産んであげたのに…」

N:母は以前、子宮筋腫のため子宮を摘出していた。

○自宅・リビング(翌朝)
SE:カーテンを開ける音

ミカ:(母の隣で、静かに座る)
「ごめんね、お母さん」

サチコ:(優しく頭を撫でる)
「…大丈夫、一緒に考えよう」

N:私は自分の貯金と、母が貯めてくれていたお金で引っ越しと出産資金にした。
彼氏も説得して、今はお腹の子に毎日話しかけている。

○自宅・ベッドルーム(夜)

ミカ:(お腹をさすりながら、小声で)
「元気に、会おうね」

N:24歳になっても、私は母に心配と迷惑をかけ続けている。
妊娠経過も思わしくなく、たびたび母に世話になっている。

○自宅・キッチン(朝)
SE:お味噌汁をよそう音

サチコ:(お椀を差し出す)
「ちゃんと食べなさい」

ミカ:(苦笑いしながら)
「うん」

N:でも母は、私の決意を尊重し、支えてくれた。

○自宅・リビング(夕方)

ミカ:(母と並んで座る。
遠くを見つめて)
(間)

ミカ:(声を詰まらせて)
「私…まだまだ未熟だけど、お母さんみたいな愛情を、私の娘にも伝えたい」

サチコ:(涙をこらえて)
「きっと、できるよ」

N:母への感謝の気持ちを込めて。
もうすぐママになる私から、もうすぐバーバになる母へ。

(カメラ、ゆっくりズームイン)

ミカ:(母を見つめて、静かに)
「ありがとう。
そして、いつもごめんね」

(サチコ、ミカをそっと抱きしめる)

N:世界で一番尊敬している母へ、心からの感謝を込めて。

(BGM:フェードアウト)
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