怖い話:「戻ってきた呪いの人形――犯人と対峙した夜から、すべては始まった」

「戻ってきた呪いの人形――犯人と対峙した夜から、すべては始まった」

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泥棒に盗まれても戻ってくる黒人人形、怖すぎますw――夫が絶叫し、私は油揚げを焼きながらその光景を眺めていました。
「くわっ」と奇声を上げる夫の前には、あの曰く付きの黒人人形が、またしても我が家のカウンターに鎮座していたのです。

その数時間前、bさんがaさん宅の玄関先で立ち話をしていたときのこと。
ふと廊下を見ると、ゴミ袋の中から特徴的な配色の黒人人形が覗いていました。
「これ、(私)さんの家のやつじゃないの!?」とbさんが問い詰めると、aさんは泣き崩れて白状。
bさんはaさんを引きずって、私の家までやってきたのです。
人形を連れて――。

実は、その直前まで私は、aさんの「手癖が悪い」という噂をどこか他人事のように考えていました。
先日、子ども会のちょっとした作業のため、7人ほどを自宅に招いたのですが、みんなが帰った後にキッチンカウンターから黒人人形が消えていたのです。
夫が一人暮らしを始めるとき義母から半ば強引に渡され、我が家では「呪いの人形」と呼ばれていた曰く付きの品。
結婚時に捨てたはずが段ボールから再登場した、不気味な存在でした。

そもそもの始まりは、私が子ども会の役員になったことです。
気心の知れた人たちを自宅に招き、気軽な作業会を開いたのが発端でした。
「まさか物が盗まれるなんて」と油断していた私。
しかし、あの日を境に、我が家から人形が消え、aさんが疑われる事態となったのです。

話を元に戻すと、aさんは「欲しくないのに手が動く」と泣きながら詫びていました。
bさんが隣で説教を続ける中、「お詫びにこれも引き取ってもらえませんか?ついでにピエロも」と言いたいのをぐっと我慢。
aさんの夫と相談し、心療内科への通院を条件に警察沙汰にはしないことに決めました。
ちなみに、コアラのクリップも一つ減っていたのですが、私はしばらく気づきませんでした。
黒人人形は、aさん宅でゴミの日に瓶ゴミと一緒に捨てられる運命だったそうです。

こうして、「呪いの人形」はまた我が家に戻ってきました。
誰もが手放したいのに、なぜか戻ってくるその存在――。
人形が勝手に動いたのか、それとも人の心が操られたのか。
結末を知った今、私にはこう思えてなりません。

「本当に呪われているのは、人形ではなく私たちかもしれない」と――。
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