地域子ども会役員宅で「呪いの人形」盗難　持ち去った人物の動機とその後

■子ども会役員宅で「人形消失」事件発生

6月上旬、関東地方のある住宅で、地域子ども会の役員を務める女性（40代）が自宅に複数名を招いて作業をしていた際、保管していた黒人形が忽然と姿を消す出来事が発生した。
参加者の1人であるAさん（仮名）には「手癖が悪い」との噂が以前からあり、今回の消失との関連が注目された。

■消えたのは「曰く付き」の黒人形

盗難が発覚したのは、作業が終わり全員が帰宅した後のことだった。
消えたのはウィスキー瓶を素材に作られた黒人形。
取材に応じた女性によると、「夫が一人暮らしを始めるとき、義母から無理やり譲られた品で、結婚時に一度処分したはずが再び現れた。
家では『呪いの人形』と呼ばれていた」という。

一方で、女性の夫は「もし盗難で警察沙汰になり、人形が戻ってきた場合が心配」と話し合い、Aさんを今後自宅に招かないことを決めたという。

■廊下のゴミから発見　Aさんが盗難を認める

事件の数日後、子ども会メンバーのBさん（仮名）がAさん宅を訪れた際、廊下に置かれたゴミの中から問題の黒人形を発見。
Bさんは「印象的な配色から、見覚えがあった」と語る。
その場でAさんに問い詰めると、Aさんは泣き崩れて盗難を認めた。
2人は人形を携えて被害女性宅を訪問し、Aさんは謝罪したという。

Aさんは「欲しくないのについ手が動いてしまった」と説明。
被害女性とAさんの夫との話し合いの結果、「Aさんが心療内科への通院を開始すること」を条件に、警察への通報は見送られた。

■「呪いの人形」騒動が地域にもたらす波紋

今回の事件は、子ども会という地域コミュニティ内で発生した。
専門家の山田真子・臨床心理士は「軽微な窃盗であってもコミュニティ内の信頼は大きく損なわれる。
再発防止には、当事者間だけでなく、地域全体での再発防止策やメンタルヘルス支援が必要だ」と指摘する。

■今後の対応と地域の課題

被害女性宅では、その後「黒人形は瓶ゴミとして処分する予定」としている。
夫は「戻ってきた人形を見て動揺した」と話しており、事件の余波は続いている。
また、コアラ型クリップなど他の小物も1点紛失していたことが後から判明した。

今回の出来事は、身近な集まりの中でも防犯意識や心のケアが求められる社会的課題を浮き彫りにした。
今後、地域コミュニティがどのように信頼回復と再発防止に取り組むかが注目される。