■【起】〜子ども会役員宅の不穏な集い〜
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私は子ども会の役員をしています。
ある日、ちょっとした作業のため、自宅に7人ほどのメンバーを招きました。
その中には「手癖が悪い」と噂されるaさんもいましたが、さすがに大人の集まりだし、物が盗まれる心配はないだろうと油断していました。
ところが、みんなが帰った後、キッチンカウンターに置いていた人形が忽然と姿を消していたのです。
■【承】〜呪いの人形が消えた夜〜
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その人形はウィスキー瓶で作られた黒人人形で、夫が一人暮らしを始める際に義母から無理やり渡された曰く付きの品でした。
結婚時に捨てたはずが、再び段ボールから見つかり、我が家では「呪いの人形」と呼ばれていました。
aさんが盗んだのか、人形が自らどこかへ行ったのかは分かりません。
しかし、夫は「警察沙汰にして戻ってきたらどうする!」と困惑し、私たちはaさんを今後家に呼ばないことに決めました。
内心では、「どうせならオカンアートの軍手ピエロやオーストラリア土産のコアラのクリップも持って行ってくれればよかったのに」と、半ば冗談交じりに思いながら、夫を寝床に連れて行きました。
■【転】〜衝撃の真実と涙の再会〜
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数日後、思わぬ展開が訪れました。
bさんがaさん宅の玄関先で立ち話をしていた際、廊下のゴミの中に消えた黒人人形を発見したのです。
その印象的な配色から「あの人形って(私)の家のやつじゃないの!?」と問い詰めると、aさんは泣き崩れて白状。
bさんは彼女を引き連れて我が家にやってきました。
aさんは「欲しくないのに手が動く」と苦しそうに泣いて謝罪しました。
私は「お詫びにこれも引き取ってくれませんか?ついでにピエロも」と言いたい気持ちを抑えつつ、aさんの夫とも話し合い、心療内科への通院を条件に警察沙汰にはしないことに。
ちなみに、コアラのクリップも1匹減っていましたが、全く気づきませんでした。
黒人人形は、不燃物のゴミの日に瓶ゴミと一緒に捨てられる運命だったようです。
■【結】〜戻ってきた人形と残る恐怖〜
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夫が帰宅し、黒人人形が戻っているのを見て「くわっ」と奇声を上げました。
やけ酒をする夫のために、油揚げを焼いてあげる私。
泥棒に盗まれても戻ってくる呪いの人形――その不気味さに、思わず笑いと恐怖がないまぜになった夜でした。
この黒人人形、やっぱり怖すぎますw
怖い話:呪いの人形と手癖の悪い訪問者――笑いと恐怖が交錯する一夜
呪いの人形と手癖の悪い訪問者――笑いと恐怖が交錯する一夜
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