■【起】〜静かなる集金任務、消えた後輩〜
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僕の後輩、Tくん。
まだ新人だったある日、彼は大きな任務を任されていた。
それは、顧客のもとへ集金に行くというもの。
しかし、帰社予定の時間になってもTくんは戻ってこない。
携帯もポケベルもない時代、連絡手段はなく、ただ待つしかなかった。
■【承】〜増す不安と10億円の重み〜
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心配になった僕たちは、Tくんが立ち寄りそうな場所に片っ端から電話をかけたが、どこにも彼の姿はなかった。
その日の夜9時まで、全員で会社に残り、捜索を続ける。
Tくんが持っていたのは、なんと10億円もの手形。
責任の重さに、焦りと不安が社内を包んだ。
独身寮に住むTくんも、寮へは戻っていなかった。
翌朝になっても彼の姿はなく、ついに警察への捜索願まで検討され始めた。
■【転】〜現れたTくん、明かされる驚きの真相〜
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そのとき、Tくんが何事もなかったかのように会社に現れた。
手形も無事で、ひとまず安堵が広がる。
問い詰めてみると、驚くべき事実が判明した。
実はTくん、前から気になっていた客先の受付嬢に、ついにOKの返事をもらったのだという。
そのまま飲みに行き、盛り上がった挙句、電車を乗り過ごしてしまったというのだ。
終電もなく、辿り着いたのは聞いたことのない駅。
Tくんは駅前の花壇で一夜を明かしたという。
呆れるやら、驚くやら——。
■【結】〜大物の予感、後輩の現在〜
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その出来事の後、僕は「こいつは絶対大物になる」と確信した。
今ではTくんは営業部長となり、営業部隊を率いている。
あの日の騒動も、今となっては懐かしい思い出だ。
仕事・学校の話:「10億円手形と後輩Tくん――波乱の夜を超えて見えた大物の片鱗」
「10億円手形と後輩Tくん――波乱の夜を超えて見えた大物の片鱗」
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