職場女性社員が被害訴え　同僚による「ストーカー行為」の実態と課題

職場で女性社員が同僚によるストーカー行為に悩まされている――。
6月、都内の企業に勤務する営業課社員（26）が本紙の取材に明らかにした。
問題の行為は、昼休みの同席や帰宅時の待ち伏せ、さらには個人情報の不正取得にまで及んでいるとされる。
被害者の女性は明確な被害を訴えきれず、周囲も対応に苦慮している現状が浮かび上がった。

■職場で相次ぐ「つきまとい」行為
都内の中規模企業で働くAさん（仮名）は、同じ職場の男性同僚から「つきまとい」行為を受けていると見られる。
きっかけは、昼休みに当該同僚が「毎回隣に座る」ようになったことだった。
さらに、帰宅時には「駅の改札で待ち伏せされる」など、私生活にも影響が及んでいるという。

■知られざる個人情報の流出
取材によると、Aさんは同僚に「教えた覚えのない携帯番号やメールアドレスを知られていた」と話している。
情報の入手経路は不明だが、職場内での個人情報管理の甘さが指摘される事例といえる。

■周囲も対応に苦慮
同僚のBさん（26）は「心配になり昼食を共にしたり、帰宅時に駅で待ってみたりしたが、Aさんは本心を語ろうとしない」と語る。
BさんはAさんの友人や同僚に連絡先を確認しようとしたが、本人の反応は「そっけなかった」という。
職場内での相談や対策は進まず、被害者の孤立が懸念される。

■専門家「早期の第三者相談が重要」
ストーカー事案に詳しいNPO法人「女性の安全ネットワーク」代表の佐藤恵美氏は「こうした行為は犯罪に発展する恐れがある。
本人が被害を訴えにくい場合も多いため、周囲が専門機関や社内の相談窓口に早期に相談することが重要」と指摘する。

■企業の今後の対応が問われる
今回のようなケースは、被害の深刻化や職場環境の悪化につながる可能性がある。
企業には、相談窓口の設置や個人情報の管理体制強化など、具体的な再発防止策が求められる。
読者のみなさんの職場でも、同様の問題が起きていないか、改めて点検が必要だろう。