■【起】〜約束と裏切り、静かな火種〜
───────
結婚当初、私たちはある約束を交わしていた。
「子供が生まれたら、タバコをやめる」。
しかし、出産後も夫はその約束を守らず、タバコを吸い続けていた。
私の実家も夫の実家も、家族全員がヘビースモーカー。
だから里帰りは諦め、一人で育児に励む日々。
夫は家ではベランダ、職場でも当然のようにタバコを吸っていた。
私は心のどこかで「これが普通なのかもしれない」と自分に言い聞かせていたが、モヤモヤが消えることはなかった。
■【承】〜忍び寄る危機、母の不安〜
───────
そんなある日、何気ない日常が一変する。
娘が突然、呼吸を止めたのだ。
隣で寝息を立てていたはずなのに、急に静かになった。
私は必死で名前を呼び、服を脱がせて胸を叩いても、娘は目を開けない。
恐怖と絶望の中で泣きながら心臓マッサージを行うと、娘はふいに大泣きしながら息を吹き返した。
病院に駆け込んでも原因は分からず、「乳幼児突然死のようなものだったのかもしれない」と言われた。
ミルク育児やうつぶせ寝、そしてタバコが原因になることは、頭のどこかで知っていた。
でも、私は夫の喫煙を止められなかった自分に、激しい罪悪感を感じていた。
■【転】〜母の覚悟、狂気の宣言〜
───────
娘の命を守るため、私はついに覚悟を決めた。
夫に「次にタバコを吸ったら、私の指を落とす」と本気で告げた。
「倉庫に電動ノコギリがあるよね」と。
夫は「俺を脅す気か」と怒ったが、私は「娘が危機に瀕した。
なりふり構わない」と伝えた。
本気の気迫に、夫の態度も変わった。
娘の命を脅かすものを排除できるなら、私はどんな役でも演じる覚悟だった。
夫はついに根負けし、タバコをやめる決断をした。
■【結】〜守るべきもの、変わった日常〜
───────
「嫁がキチ」と言われても、娘が笑顔で私の鼻をつついてくれるなら、それでいい。
もし娘を失っていたら、私は本物のキチになっていただろう。
今では、夫のワガママも受け流せるようになり、ケンカも減った。
「私キチだからあなたのワガママは聞こえません。
自分でやって下さ〜い」と冗談めかして言えるほど余裕ができた。
結果的に、娘の命を守るための修羅場は、私たち家族に新しい日常と強い絆を残してくれた。
修羅場な話:娘の命を守るために、私は鬼になった〜タバコと夫婦の修羅場〜
娘の命を守るために、私は鬼になった〜タバコと夫婦の修羅場〜
📊 起承転結 に変換して表示中
読了
スワイプして関連記事へ
0%
記事要約(300文字)
ダミー1にテキストを変換しています...
0%
変換中
コメント