私は工務店勤務で、3年前、寺院経営の幼稚園バス車庫修理を任された。
朝8時半、車庫脇で作業を始めると、遊具に集まる10人ほどの園児が、背後で「らぁっきぃーーー」と舌足らずな声を揃えて唱え始めた。
振り返ると声はぴたりと止み、不思議に思いながら作業を続けると、また「ラッキー」の連呼。
犬でも呼んでいるのかと周囲を見渡すが、該当するものはなく、再び作業に戻ると同じ現象が繰り返された。
私は10秒ごとに振り返ったが、園児たちは決してこちらを見ようとせず、目を逸らし続ける。
見られていない間だけ続く謎のコールと、決して私と目を合わせない彼らに、背筋が凍った。
やがて始業のチャイムで園児たちは去ったが、あの不可解な行動の意味は今も分からず、強い違和感だけが残った。
不思議な話:振り返るたび消える声――幼稚園の奇妙な朝
振り返るたび消える声――幼稚園の奇妙な朝
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