幼稚園児たちの不可解な行動　工務店作業員が体験した“ラッキー”コールの真相

■幼稚園の修理現場で起きた「異変」
2021年春、関東地方の寺院付属幼稚園で、バス車庫の屋根修理作業中に不可解な出来事が発生した。
工務店に勤務するA氏（40代男性）は、取材に対し「作業中に園児たちが集団で奇妙な掛け声を繰り返していた」と証言する。

■本堂裏の車庫での修理作業
A氏によると、修理作業は午前8時半頃から開始。
現場となった車庫は、園舎の脇を抜けた本堂裏に位置し、周囲にはコンクリート製の遊具以外は目立った設備がなかったという。
A氏は「トラックを車庫の横に止め、足場を組み立てて屋根材を用意していた」と当時を振り返る。

■遊具に集まる園児たち
作業を始めて間もなく、遊具の周辺に10人ほどの園児が集まり始めた。
A氏は「幼稚園や小学校で作業すると、子どもたちが興味を持って集まるのはよくあること」としつつも、今回の様子は通常と異なっていた。

■「らぁっきぃーーー」の連呼
A氏が足場に上がると、「らぁっきぃーーー、らぁっきぃーーー」と舌足らずな声が背後から聞こえた。
声は一人ではなく、全員が揃えて唱和していたという。
その後、A氏が振り返ると声は途切れ、再び作業を始めると掛け声が続くという現象が繰り返された。

■不可解な“ルール”と違和感
園児たちはA氏の動きを注視し、彼が後ろを向くと「ラッキー」コールを始め、振り返るとピタリと止めたという。
A氏は「何度も振り返ったが、園児たちは目を合わせず、誰一人こちらを見ていなかった」と語る。
この行動は「まるで私の視線を避けているように感じた」と違和感を口にした。

■現場での確認と推測
A氏は「園内の犬小屋を見かけたので、犬の名前を呼んでいるのかとも思ったが、それらしき犬は見当たらなかった」と話す。
また、保育士や他の職員の姿は近くになかったという。
関係者への追加取材でも「園児たちが集団で特定の言葉を繰り返す遊びは聞いたことがない」（同園元職員）との証言が得られた。

■専門家の見解――子どもの集団心理
児童心理学が専門の田中裕子教授（都内私立大学）は「子ども同士で独自のルールを作り、集団で行動するのは珍しくない。
大人の注意を引くために特定の行動や言葉を繰り返すこともある」と話す。
一方で、「全員が目を合わせず、振り返った瞬間に動きを止めるという点は、子ども特有の集団遊びや合図の一種かもしれない」と分析する。

■今後の展望と読者への問いかけ
今回の事例は、日常の中で子どもたちが見せる集団心理や行動の奥深さを示している。
今後、同様の現象が他の教育現場でも観察される可能性があり、保育関係者や保護者は注意深く見守る必要がありそうだ。
あなたの周囲でも、子どもたちの“不可解な遊び”を目撃したことはあるだろうか。