「家族の再婚劇〜義母の想いと姉の幸せ〜」

○実家・ダイニング（夜）

（暖かな照明の下、大きな食卓を囲む家族。
姉（40代・穏やか）、妹（30代・しっかり者）、母（60代・明るい）、トメ（義母・70代・頑固）、父（60代・寡黙）が座っている）

SE：食器が重なる音

N：姉の再婚相手は、姉より10歳以上年上の男性。
彼もまた、かつて大切な家族を亡くした過去を持つ。

姉：（少し照れながら）
「みんな、本当にありがとう。
私…幸せになるね」

母：（優しく微笑んで）
「うん、〇〇（姉の名前）が幸せならそれが一番よ」

妹：（うなずきながら）
「ねぇ、お姉ちゃん。
彼、前の奥さんとは…」

姉：（静かに頷いて）
「うん、もう20年以上前に亡くなったんだって。
ひとり息子さんも結婚してるし、これを機に…って」

（家族みんながうなずき、和やかな空気）

N：家族全員が賛成し、温かな空気が流れる。

（間）

○同・リビング（同夜）

（トメがひとり、ソファに座っている。
顔には複雑な影）

妹：（そっと近づき）
「お義母さん、どうかした？」

トメ：（眉をひそめて、苛立ちを隠せず）
「私は…反対よ。
あのお姉さんは、うちのお兄ちゃんのお嫁さんになるべきだったんだから」

妹：（驚いて）
「…え？ でも、義兄さんはもう結婚してますよ？」

トメ：（首を振りながら）
「それでも、あの二人にはまだ子供がいないじゃない。
あんたのお姉さんなら男の子を産める証明もある。
手っ取り早いのに…」

妹：（呆れて、小さくため息）
「甥たちのことは、うちの親が面倒見ればいい…って？」

トメ：（強くうなずく）

妹：（怒りを抑えて、ゆっくり立ち上がる）
「…アホか」

（間）

○同・玄関（翌日）

（妹がトメと向き合って立つ）

トメ：（拗ねた様子で）
「披露宴に呼ばれても、私は行かないからね」

妹：（きっぱりと、まっすぐトメを見る）
「呼ぶつもりありませんが、何か？」

（トメ、絶句）

（妹、すっきりした表情で玄関を出る）

SE：扉が静かに閉まる音

N：こうして、姉の新たな人生が静かに始まった。

（BGM：希望に満ちた曲が静かに流れる）