不可解な祭囃子と消えた女――老人が語る怪奇譚をQ&Aで辿る

Q1. この話はどのような内容でしょうか？
A1. この話は、山中のテントで不思議な祭囃子を聞いた主人公が、町で起きた女性の失踪事件や怪異な体験に巻き込まれていくミステリアスな怪談です。
老人が自らの体験として語っています。

Q2. 主な登場人物は誰ですか？
A2. 主人公の「私」として語られる老人、町の駐在さん（警官）、そして不可思議な着物姿の女性が主な登場人物です。
町の人々や失踪した若い女性も間接的に関わります。

Q3. 物語はいつ、どこで起こったのでしょうか？
A3. 舞台は山間の町とその周辺の山中です。
時期は明確ではありませんが、昔話のような雰囲気があります。
主人公は登山の夜、テントで横になっている時から物語が始まります。

Q4. 最初にどんな異変が起きたのでしょうか？
A4. 夜、主人公がテントの中で横たわっていると、どこからともなく祭囃子が聞こえてきます。
普通ではありえない場所と時間に響いたその音が、異変の始まりでした。

Q5. 町に下山した主人公は何を知りますか？
A5. 翌朝下山すると、町は騒然としていました。
駐在さんから事情を聞かれ、町の若い女性が行方不明になったことを知ります。
町では「誘拐」「家出」「神隠し」とさまざまな憶測が飛び交っていました。

Q6. 汽車の中でどんな出来事が起きたのですか？
A6. 汽車でうたた寝をしていた主人公は、あでやかな着物姿の女性に声をかけられ、「私の家族にこれを渡してほしい」と赤い錦の小袋を手渡されます。
しかし、女性の顔が妙に吊り上がっていることに気づき、不気味に思って袋を返そうとしますが、女性は消えてしまいます。

Q7. 小袋の中身は何だったのでしょうか？
A7. 主人公が袋を開けてみると、中から人間の歯がじゃらじゃらとたくさん出てきました。
その異様さに恐ろしくなり、主人公は処分に困った末、町の駐在所あてにその袋を郵送してしまいます。

Q8. 数年後、主人公は町で何を知ることになりますか？
A8. 数年後、主人公が再び町を訪れて駐在さんに当時の話を尋ねると、「嫌な事件だった。
犯人から被害者の歯が送られてきた」と聞かされます。
さらに、歯を見せられた家族や町の人々が妙に納得し、事件の捜査に協力しなくなったという奇妙な顛末も語られます。

Q9. 送られてきた歯には何か特徴があったのでしょうか？
A9. 送られてきた歯には上下の犬歯だけが欠けていたそうです。
この詳細が、事件の異様さや怪異をより一層印象付けます。

Q10. この話からどのような教訓や不気味さを感じ取れますか？
A10. この話は、現実と怪異の境界があいまいになったとき、人々の常識や正義感が簡単に揺らいでしまう怖さ、そして理不尽な出来事に巻き込まれる恐ろしさを伝えています。
不可解な現象や“神隠し”が、個人や共同体の中でどのように受け止められるのかという余韻も残しています。