怖い話:家賃半額の「訳あり部屋」 20年前の引越しが招いた家族の苦悩と事故物件の実態

家賃半額の「訳あり部屋」 20年前の引越しが招いた家族の苦悩と事故物件の実態

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■実家の長男、異変を訴えた「訳ありアパート」
約20年前、地方都市で暮らすAさん(仮名・40代)は、家族の事情により兄の引越しを手伝った。
両親が営む自営業の店舗兼住宅で、兄(当時20代後半)の生活態度が問題となり、市内のアパートへ転居を決めたのが発端だった。

「実家に長男が居座っていると、お客様の目も気になる。
両親はそう語っていました」とAさんは振り返る。

■兄が訴えた“部屋の異変” 家族は取り合わず
引越しから約1カ月後、兄は「夜になると胸に重いものがのしかかる」「彼女が来なくなった」と異変を訴えて実家に戻ったという。
家族はその訴えを「神経質すぎる」と一蹴。
Aさんの父親は「馬鹿なことを言うな」と取り合わず、兄も再びアパートに戻った。

■「人が亡くなった部屋」隣人の証言で真相判明
事態が動いたのは、兄がアパートの隣人と顔を合わせた時だった。
兄は「部屋の空気が重く感じる」と相談。
隣人男性は「あなたの部屋は以前、死亡事故があった。
家賃が半額なのはそのためだ」と明かした。
実際、両親が支払っていた家賃も相場の半額だった。

当時は「告知義務」(事故や事件のあった物件の入居者への説明)が十分に周知されておらず、家族は事実を知らされていなかった。

■事故物件サイトで明らかになった過去
20年後、Aさんは話題となった事故物件情報サイトで当時のアパートを調査。
該当する部屋は「家庭内暴力を繰り返す息子が父親に殺害され、その後父親も自殺した」という痛ましい事件現場であったことが判明した。

「兄が訴えていた異変は、偶然ではなかったのかもしれない」とAさんは語る。

■「空気が変わる」友人の存在
兄は「あの部屋に友人Aが来ると、空気が軽くなる」とも話していた。
Aさんによれば、友人は家族仲が良く穏やかな人物であった。
「人と場所の“相性”というものが、実際に存在するのかもしれない」とAさんは振り返る。

■その後の兄と家族
家族会議の結果、両親は兄の再度の転居を認めた。
だがその後、兄は精神的な不調を訴え、入退院を繰り返しているという。
Aさんは「事故物件での体験が影響したのかは分からない」と語るにとどまる。

■専門家「心理的瑕疵は無視できない」
不動産心理学に詳しい田中健一氏(仮名)は、「事故や事件のあった物件は、入居者に実際の健康被害や精神的不調をもたらすケースもある。
心理的瑕疵(きず)を軽視しないことが大切」と指摘する。

事件や事故の経緯だけでなく、「住む人と場所の相性」も無視できない要素となりつつある。

■今後の展望と読者への問いかけ
事故物件の情報開示義務は年々強化されているが、地方都市や小規模な賃貸市場では、十分に浸透していない現状もある。

「住まい選びの際、物件の履歴や心理的要素まで確認することが重要」と田中氏は述べる。

あなたの住まいは安心できる場所だろうか――。
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