怖い話:夏の夕暮れに響くチャイムと白い手紙──不気味な訪問者の余韻

夏の夕暮れに響くチャイムと白い手紙──不気味な訪問者の余韻

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■【起】〜蒸し暑い日常に忍び寄る違和感〜
───────

蒸し暑さに包まれた夏の夕暮れ、俺は2階の部屋で昼寝をしていた。
静かな家の中、聞こえてきたのはインターホンの音だった。

「ピンポ〜ン、ピンポ〜ン」

誰かが来たようだが、家には俺しかいない。
面倒なので無視してやり過ごそうと決める。
しかし、チャイムはしつこく鳴り続けた。

「ピンポ〜ン、ピンポ〜ン」

一体誰なんだ。
そっと2階の窓から玄関を覗くと、白っぽい服を着た40歳くらいのおばさんと、同じような服装の麦藁帽子をかぶった女の子が立っていた。

■【承】〜繰り返される訪問と高まる不安〜
───────

「子連れの宗教勧誘か?」最近増えているし、面倒だなと思いながらも仕方なく階段を下り、玄関を開ける。
しかし、そこには誰もいなかった。

もう帰ったのか、と肩透かしを食らい、再び2階で横になる。
しかし、またもやチャイムが鳴り始める。

「ピンポ〜ン、ピンポ〜ン」

窓から見下ろすと、再びさっきの親子が玄関に立っている。
苛立ちが募り、今度こそ怒鳴ってやろうと勢いよく玄関ドアを開けるが、やはり誰もいない。

ドアを開ける直前まで鳴っていたチャイム。
玄関周辺に隠れる場所はなく、立地的にも姿が消えるはずがない。
不可解な状況に戸惑いながらも、俺は呆然とするしかなかった。

■【転】〜不在の訪問者と鳴り響く恐怖〜
───────

立ち尽くしていると、再び「ピンポ〜ン、ピンポ〜ン」とインターホンが鳴る。
今度は目の前に誰もいないのに、チャイムだけが響き渡っていた。

恐怖が背筋を駆け抜け、慌てて家の中へ飛び込み鍵を閉める。
カーテンを引き、布団に潜り込むと、チャイムの音はしばらく鳴りやまなかった。
もう一度窓から確かめる勇気は、どこにも残っていなかった。

■【結】〜白い封筒に記された新たな不安〜
───────

翌朝、親にたたき起こされる。
「あんたに手紙。
女の人からみたいよ」とからかわれながら、新聞を取りに行った親が見つけたらしい白い封筒を手渡された。
名前も書かれていないその封筒。

とにかく開けてみると、綺麗な文字でこう書かれていた。

「なにかがあなたの家へ入ろうとしています」

恐怖はまだ、終わっていなかった。
読了
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