「ど・ん・ぐ・り」と、しっかり書き込まれた申し込み用紙を見て、私は思わず声を失った。
なぜなら、それは4桁の数字を書くはずの暗証番号欄だったからだ。
その前日、おばあちゃんは窓口で口座開設の手続きをしていた。
暗証番号を決めてくださいと伝えると、彼女はしばらく悩み込んでしまったのだった。
「おばあちゃん、明日でもいいから決まったら教えてね」
そう声をかけ、その日は帰ってもらうことにした。
振り返れば、窓口で「4桁の数字」と何度も説明したつもりだったが、おばあちゃんにとっては大きな決断だったのだろう。
実は、「ど・ん・ぐ・り」は、彼女にとって大切な思い出や、忘れにくい言葉だったのかもしれない。
おばあちゃんが一生懸命考えてくれた、その健気な思いを思うと、私は笑うことができなかった。
笑える話:「ど・ん・ぐ・り」と暗証番号に書いたおばあちゃんの秘密
「ど・ん・ぐ・り」と暗証番号に書いたおばあちゃんの秘密
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