○オフィス・事務スペース(午前)
(BGM:軽快なオフィスミュージックが流れている)
N:それは、まだ私が新入社員だった頃のこと――。
(電話のベルが鳴り響く)
SE:電話の着信音
佐藤ユリ(22・新入社員、真面目で緊張しがち):(受話器を取り、丁寧に)
「はい、○○株式会社でございます。
」
(間)
オバ様(50代・電話越し、声が大きく押しが強い):
「もしもし?○○さんいる?」
佐藤ユリ:(少し戸惑いながら)
「あの…恐れ入りますが、どちらの○○でしょうか?」
オバ様:(少し苛立ちながら)
「え?○○よ、○○!さっきも電話したのに、またアンタ?」
佐藤ユリ:(苦笑いしながら)
「はい、こちら○○株式会社の佐藤でございます。
」
SE:電話を切る音(ガチャッ)
(ユリ、困った顔で受話器を置く)
○オフィス・事務スペース(数分後)
SE:電話の着信音(再び)
佐藤ユリ:(やや緊張気味に)
「はい、○○株式会社の佐藤でございます。
」
オバ様:(やや怒り気味に)
「またアンタ!?なんで毎回アンタが出るのよ!」
佐藤ユリ:(困ったように、必死で説明しようと)
「申し訳ありません…。
実は弊社の電話番号は連番になっておりまして…」
オバ様:(食い気味に)
「そんなこと知るか!こっちは早く○○さんに繋ぎたいのよ!」
佐藤ユリ:(小声で、ため息交じりに)
「(心の声)どうして私ばっかり…」
(間)
N:電話応対は私の大事な仕事。
でも、何度説明しても“オバ様”は納得してくれなかった。
○オフィス・給湯室(昼休み)
(ユリ、湯呑を手にぼんやりと立ち尽くす)
佐藤ユリ:(心の声)(遠くを見つめて)
「オバ様、ちゃんと掛けたいところに繋がったのかな…」
(カメラ、ユリの横顔にゆっくりズームイン)
(BGM:静かにフェードアウト)
N:あの日の“オバ様”の声は、今でも忘れられない――。
仕事・学校の話:その電話は、何度でも――新米社員と“オバ様”の長い一日
その電話は、何度でも――新米社員と“オバ様”の長い一日
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