地方のパン工場で体験した、ねじりパン作りの思い出

地方のパン工場で短期バイトをしたことがあります。
時給1300円という条件に惹かれて始めたのですが、実際は本当に大変なお仕事でした。

私の役割は、ベルトコンベアで流れてくる細長いパン生地を、ひたすら手でねじって「ねじりパン」を作ることでした。

生地が来る、ねじる。
生地が来る、またねじる。

生地が来る、ねじる。
生地が来る、ねじる。

……この単純な動作を、延々と繰り返します。

生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる
生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる、生地が来る、ねじる

こうした作業を、6時間ずっと続けるのです。

途中からはもう、自分が生地をねじっているのか、逆に生地に自分がねじられているのか分からなくなってきました。

言い換えると、自分がだんだん消えていくような、不思議な感覚になったのです。

私はなんとか2週間耐えることができましたが、ちなみにアンパンのてっぺんにゴマを振るだけの仕事を担当した方は、2日で辞めてしまいました。

―パン工場だけは、みんなやめておけよ。