【新人研修現場で起きた予期せぬ出来事】
新卒入社直後の2023年春、首都圏にある中小企業で“無言電話”が相次いで発生した。
関係者への取材により、その正体が同じ部署のベテラン社員だったことが明らかになった。
なぜこのような事態が起きたのか、背景を探った。
■新人が受け持つ外線電話
同社では、新人社員が外線電話を担当する運用が定着している。
オフィス内には外線通信用の電話機が1台設置され、他の社員の机には内線専用の電話が並ぶ。
電話応対は新人が担うことで、業務フローや顧客対応の基本を学ぶ機会とされてきた。
■「あっ…」で切れた電話――無言の主の正体
2023年4月、記者が外線電話を取ると、無言のまま切れる通話が複数回発生した。
「○○(会社名)でございます」と名乗ると、「あっ…」という微かな声とともに通話が終了する。
この現象について、当時の担当者は「どこかで聞いたことのある声だったが、イタズラ電話かと疑った」と振り返る。
しかし、不審な様子を見せていたのは同じ部署のベテラン男性社員A氏だった。
周囲の先輩社員も違和感に気付き、やがて無言電話の主がA氏であることが判明した。
■社員間で笑いに――しかし残った課題も
A氏によると、「内線と外線を取り違えてしまい、とっさに無言で切ってしまった」という。
事態が明るみになると、オフィス内は笑いに包まれた。
ただし、先輩社員からは「間違えても無言で切らないでほしい」と注意喚起がなされたという。
この一件以降、外線に無言電話がかかってくると、社員はA氏の様子を確認するのが恒例となった。
現場には一定の緊張感とユーモアが生まれたが、電話応対ルールの徹底や、社内コミュニケーションのあり方が改めて問われるきっかけとなった。
■背景に“電話応対”の属人化
専門家によれば、中小企業では電話応対の属人化やマニュアルの未整備がトラブルの温床になるケースが多いという。
ビジネスマナー講師の山田直子氏は「電話対応を特定の社員に任せきりにせず、全員が基礎を共有することが重要」と指摘する。
■今後の展望――職場コミュニケーションの見直しへ
今回の事例は一見微笑ましいハプニングだが、「誰もがミスをしうる」環境であること、またそのミスを許容する職場風土の重要性を示している。
今後、企業においては電話応対の標準化や、オープンなコミュニケーション文化の構築が求められる。
読者の職場では、同様の“うっかりミス”にどう向き合っているだろうか。
仕事・学校の話:オフィスで発生した“無言電話”の正体――新人社員が体験した意外な一幕
オフィスで発生した“無言電話”の正体――新人社員が体験した意外な一幕
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