親戚のお兄ちゃんが新郎として、レストランで人前式の結婚式を挙げたときのことです。
その式の直前、突然一人のご年配の女性が「娘の結婚式だ!」と押しかけてきて、大きな声で騒ぎ出したそうです。
その様子を見て、新婦のご両親が青ざめて駆け出す姿がとても印象的でした。
幸いにも、式は少し遅れて始まったのですが、新婦さんがにこにこと笑顔を見せていたのが不思議な気がしました。
その後、最近になってようやく事情を知ることができました。
実は、新婦さんは養女で、その押しかけてきたご年配の女性が実のお母様だったそうです。
実母はかつては裕福なお嬢様だったのですが、事情により生活が苦しくなってしまったそうです。
実母は、新婦さんの実のお兄さんが裕福なお家と結婚すれば、再び上流階級に戻れるのではないかと思い込んでいたようでした。
どうしても結婚を成功させたかった実母は、借金までして服や家具を揃え、そして、まだ幼かった新婦さんが家の貧しさを口にしないようにと、婚約者が訪れる時にはガムテープで口をふさぎ、物置に閉じ込めてしまったと言います。
しかし、婚約者に妹がいることが分かり、「一度会いたい」と言われてしまいます。
そこで慌てた実母は、友人に「この子をあげる」と新婦さんを養子に出してしまった、ということだったのです。
「もううちの子ではないし、親に会えば泣いてしまうから結婚式にも出さない」として、その場を乗り切ったのだそうです。
新婦さんは当然、実母に対して強い恨みを抱き、連絡を絶っていました。
しかし、そこまでして結婚を望んだ実母でしたが、実のお兄さんの浮気によってすぐに離婚となり、再び生活が苦しくなってしまったのです。
現在では、息子さんや娘さんからも縁を切られ、ひとりきりで暮らしているということでした。
控室で新婦さんは「あの女はいつも私を不幸にする」と話していたそうです。
しかし、今では新婦さんが幸せに暮らしていると聞き、少しほっとした気持ちになりました。
修羅場な話:結婚式で起きた家族の絆と再出発の物語
結婚式で起きた家族の絆と再出発の物語
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