おしぼりじゃなかったホワイトデー～笑撃のプレゼント事件簿～

○オフィス・休憩スペース（夕方）

（SE：ざわざわとしたオフィスのBGM）

登場人物：
佐藤　美咲（28・明るく好奇心旺盛なOL）
中村　絵里（26・おっとりした性格）
高橋　彩（32・サバサバ系先輩）
田辺　由佳（25・新人、少し天然）

（机の上に可愛くラッピングされた細長い贈り物が並んでいる）

美咲：（目を丸くして）
「ねえ、これ、何だと思う？」

絵里：（手に取って眺めながら）
「うーん…ハンドタオルじゃない？」

彩：（巻かれた形をじっと見て）
「そうそう。
タオルだよ、きっと。
ほら、形が…」

由佳：（嬉しそうにラッピングを撫でて）
「可愛い～。
お店のおしぼりみたい！」

（全員、クスクスと笑いながら贈り物をそれぞれ手元で押してみる）

（SE：ガサガサと包装紙の音）

美咲：（顔を近づけて匂いをかぐ）
「でも、いい匂いしない？」

絵里：（笑いながら）
「タオルにも香りつけてるのかな？」

（間）

（カメラ、ゆっくりズームインして全員の顔を映す）

○美咲の自宅・リビング（夜）

（美咲、帰宅してリビングのテーブルに贈り物を置く）

（SE：鍵を机に置く音）

美咲：（ラッピングを外しながら、心の声）
美咲：（心の声）「どんな柄のタオルかな…」

（包みを開けると、中からボロボロに崩れたスティック状のケーキが出てくる）

美咲：（驚いて）（ケーキを凝視する）
「……え？」

（間）

美咲：（苦笑しながら）
「タオルじゃない…ケーキだったの？」

（SE：ケーキのかけらが転がる音）

○翌朝・オフィス（朝）

（女性社員たちが集まり、控えめに顔を見合わせる）

（BGM：軽快なコメディ調が流れ始める）

彩：（手を挙げて）（笑いをこらえきれず）
「昨日、タオルだと思ってたやつ…みんな開けた？」

絵里：（吹き出しそうになりながら）
「うん…崩れたケーキだったよね？」

美咲：（大爆笑しながら）
「私、間違えて洗面所まで持って行っちゃった！」

由佳：（目を丸くして）（ずっこける）
「手拭こうとしてた人、私だけじゃなかったんだ！」

（SE：全員の笑い声）

（全員、テーブルを囲んで笑いが止まらない）

N：ホワイトデーの小さな事件は、朝のオフィスに明るい笑いをもたらしたのだった。

（BGM：フェードアウト）