引っ越し直後のこと。
留守電に時折、奇妙なメッセージが入っていた。
背景には人の多そうなザワザワした音が流れ、
暗いトーンの女性の声が響く。
「―あーあ、嫌だ嫌だ…
やることいっぱいあるのに…何で私ばっかり…」
そんな独り言のような文句が聞こえ、
しばらくすると切れる。
当時はナンバーディスプレイもまだ普及しておらず、
こちらから相手を探る方法はなかった。
数日に1,2回の頻度でかかってきて、
私は毎回ドキドキしていた。
ある日、留守電に別のメッセージが入っていた。
「こちら○○コールセンターの者です。
先日間違ってそちら様の留守電へ吹き込んでしまいました。
申し訳ございません」
その瞬間、少し謎が解けた気がした。
おそらく、どこかのTELオペレーターが誤ってうちに電話し、
留守電に吹き込まれているとは気づかず独り言を言っていたのだろう。
疑問は解決したが、
あの暗く恨みがましい声を思い出すと、
仕事の裏側を垣間見た気がして、
怖さと共に、少し気の毒にも思った。
怖い話:留守電の謎の声―最後に分かった驚きの事実
留守電の謎の声―最後に分かった驚きの事実
読了
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