○自宅・リビング(夜)
(引っ越し直後の薄暗い部屋。
段ボールが積まれ、生活感のない空間。
主役・ミナ(30・慎重でやや神経質)がソファに座り、窓の外を見つめている)
SE:留守番電話のピッという音
(ミナ、ゆっくりとリモコンを手に取り、留守電の再生ボタンを押す)
SE:ザワザワとした人混みの音
(ミナ、怪訝な顔で耳を傾ける)
謎の女性の声(録音):「―あーあ、嫌だ嫌だ…やることいっぱいあるのに…何で私ばっかり…」
(ミナ、眉をひそめる)
ミナ:(小さく)…誰?
(録音はそこで途切れる)
SE:無音
N:引っ越したばかりの部屋で、ミナは時折、こんな奇妙なメッセージを耳にしていた。
○同・数日後(夜)
SE:留守番電話の着信音
(ミナ、キッチンで皿を洗っている手を止める。
少し緊張した表情)
ミナ:(心の声)また…あの声?
(おそるおそる再生ボタンを押す)
SE:人の話し声、雑踏。
前回と同じ女性の低い声。
謎の女性の声(録音):「…全部私のせいじゃないのに…どうして…」
(ミナ、ぞっとして目を見開く)
(間)
N:ナンバーディスプレイもなく、相手の正体を知る術はなかった。
○同・リビング(夜)
(カレンダーにチェックを入れるミナ。
数日に一度、留守電を確かめるのが習慣になっている)
ミナ:(独り言)…何なんだろう、この人…
(BGM:ほんのり不穏な旋律が流れ始める)
○同・リビング(ある夜)
SE:留守電の着信音
(ミナ、今度は少し怯えた様子でリモコンを握る)
ミナ:(小声で)…お願い、普通の用事であって…
(再生ボタンを押す)
(間)
別の女性の声(明るく丁寧):「こちら○○コールセンターの者です。
先日間違ってそちら様の留守電へ吹き込んでしまいました。
申し訳ございません」
(ミナ、はっとして顔を上げる)
(カメラ、ゆっくりミナの表情にズームイン)
ミナ:(安堵と戸惑いが混じった声で)…コールセンター?
(間)
N:謎の一端は、ようやく明かされた。
○同・リビング(静寂)
(ミナ、録音機に手を触れたまま、遠くを見つめる)
N:仕事の裏側で、誰にも見せられない「本音」がこぼれることもある。
N:あの恨みがましい声が、今は少しだけ、気の毒に思えた――。
(BGM:静かにフェードアウト)
怖い話:留守電に響く謎の声~新生活の静寂を破るもの~
留守電に響く謎の声~新生活の静寂を破るもの~
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