○歯科クリニック・スタッフルーム(朝)
SE:スタッフルームのドアが開く音
N:夏のある朝、私はいつものようにスタッフルームに入った。
○同・スタッフルーム(続き)
(スタッフたちが慌ただしく準備をしている)
登場人物:山田(35・主任・真面目な性格)
登場人物:佐藤(28・受付・明るい)
登場人物:新井(22・新人女性・入局1週間・天真爛漫)
(新井、突然、上半身ビキニ、下はデニムショートパンツ姿で登場)
SE:一同の動きが止まる
(全員、目を丸くして新井を見る)
佐藤:(目を見開いて)(小声で)
「え…? なに、海帰り?」
山田:(驚いて)(立ち上がる)
「新井さん、それ…今日は何かのイベント?」
新井:(悪びれずに)(笑顔で)
「あ、違うんです。
洗濯機が壊れちゃって…着るものがなくて…」
(間)
(新井、腕や肩にくっきりとした日焼けの跡)
佐藤:(苦笑しながら)(小声で山田に)
「昨日より黒くない…?」
山田:(眉をひそめて)(新井をじっと見る)
「…新井さん、昨日はどこか行ってた?」
新井:(少し照れ臭そうに)(視線をそらして)
「えへへ、実は…朝まで友達と海にいて…そのまま来ちゃいました」
(全員、思わず吹き出す)
SE:笑い声が広がる
(しかし、山田だけは苦い表情)
山田:(真剣な表情で)(一拍置いて)
「新井さん、ここは病院です。
患者さんの前に立つには…その格好は困ります」
新井:(困ったように笑う)
「すみません…」
(長い沈黙)
山田:(目を伏せて)
「今日は…これで帰ってください。
そして…もう来なくていいです」
(新井、驚いた顔)(沈黙)
新井:(声を震わせて)
「わかりました…」
SE:ドアが閉まる音
(スタッフたち、複雑な表情)
佐藤:(寂しそうに)
「ちょっと、あの子変わってたけど…悪い子じゃなかったのにな」
山田:(遠くを見つめて)(静かに)
「でも、この仕事は信頼が一番だから…」
N:(カメラ、ゆっくりズームイン)
N:夏の日差しよりも、彼女の無邪気さがまぶしかったあの日。
N:そして、彼女は二度とここに現れることはなかった。
(BGM:切ない曲調に変わる)
(フェードアウト)
仕事・学校の話:白衣の下のビキニ 〜夏、非常識な新人がやってきた日〜
白衣の下のビキニ 〜夏、非常識な新人がやってきた日〜
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