■結婚式終盤、父親が母との思い出を伝える
2024年5月、東京都内のホテルで行われた結婚披露宴にて、感動的な出来事があった。
新婦・明子さん(仮名)の父親が、式の終盤に母親の思い出を語り、25年前の映像を公開したことで、会場全体が涙に包まれた。
本紙は関係者への取材を通じて、その舞台裏を取材した。
■母の記憶を知らずに育った新婦
明子さんは、出生直後に母親を病気で亡くしている。
父親によると、「写真でしか母の顔を知らず、母の声も聞いたことがない」という。
幼少期から父と二人で生活し、明子さんは家事を手伝いながら明るく成長したという。
「文句一つ言わず、手のかからない子だった」と父親は振り返る。
■父親からのサプライズ——25年前のビデオテープ
披露宴のスピーチで父親は、「私には、お前に渡したいものがある」と語り、古びた箱から一本のビデオテープを取り出した。
会場に設置されたプレーヤーで再生が始まると、場内は静まり返り、注目が集まった。
映像には、病院のベッドで新生児を抱く若い女性が映し出された。
それは25年前、明子さんの誕生直後に撮影された、彼女の母親の姿だった。
母親は赤ん坊をあやし、幸せそうに微笑んでいた。
■初めて母の姿を目にした新婦、会場も涙
取材によると、明子さんが母親の映像を目にしたのは、この日が初めてだった。
涙をこらえられず、スクリーンを見つめ続ける明子さん。
その姿に、多くの参列者も涙を流した。
会場全体が静かな感動に包まれ、一体感が生まれた瞬間だった。
■父親の淡々とした姿が伝えるもう一つの思い
一方で、父親は感情を大きくは表に出さなかった。
関係者は「あえて淡々とした態度を取ることで、彼なりの愛情表現だったのではないか」と話す。
父親が長年秘めてきた、母親への思いと娘への愛情が、映像とともに新婦に伝わったとみられる。
■専門家「家族の歴史を伝える意義は大きい」
家族心理学者の田中美穂氏は、「親から子への歴史や思い出を伝えることは、自己肯定感や家族の絆を強める上で重要だ」と指摘する。
「婚礼という人生の節目でこうしたサプライズが行われることで、参加者にも深い印象を残し、家族の在り方を考えるきっかけにもなる」と述べた。
今後も、家族の物語や思い出を次世代に伝える工夫が、さまざまな場面で求められそうだ。
感動する話:結婚披露宴で25年前の母親の映像公開 新婦と父の秘めた絆に会場が涙
結婚披露宴で25年前の母親の映像公開 新婦と父の秘めた絆に会場が涙
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