○自宅・リビング(夜)
N:数年前の冬。
静まり返った家に、悲しみが満ちていた。
(写真立てに手を触れながら)
主人公・美咲(35・落ち着いた雰囲気):
(目を伏せて)父が亡くなった。
その翌年、母も脳梗塞で逝ってしまった。
(間)
SE:玄関チャイムが鳴る
○葬儀場・控室(夜)
(親族が集まる中、ピリついた空気)
トメ(65・派手な身なり):
(皮肉な笑みを浮かべて)あらまあ、あなたのお母様って…やっぱりねぇ。
(その場にいた親族、凍りつく)
トメ:(自分で吹き出して笑い)
あー、面白い。
SE:緊張した空気
夫(40・冷静)と義姉夫(42・穏やか)がトメの両腕を掴む。
義姉夫:
(困ったように)お義母さん、やめてください…
(次の瞬間)
SE:鈍い音
トメ:(突然、義姉夫の顔面に頭突き)
義姉夫:
(鼻から血を流し、うずくまる)
義姉(38・しっかり者):
(叫ぶように)大丈夫!?しっかりして!
叔母(60代):
(慌てて携帯を手に)救急車!すぐ呼ばなきゃ!
叔父(62・小柄):
(部屋の中を走り回る)
美咲:(母の棺にしがみつき、涙をこらえて)
SE:お経の声と救急車のサイレンが重なる
僧侶(50代・温厚そうだが怒り心頭):
(トメに向かって怒鳴る)
なんということを…!亡き人の前で恥を知りなさい!
N:親戚も少なく、子供は私一人。
密葬でよかったのかもしれない。
○病院・廊下(夜)
義姉夫:
(鼻に包帯、痛みに顔をしかめている)
N:義姉夫は鼻を骨折した。
○自宅・リビング(数日後)
N:そして、すべてが壊れた。
ウトメ、義姉夫婦、私たち夫婦も離婚した。
(静かな時間が流れる)
○叔母の家・リビング(夕方)
SE:ポストに手紙が落ちる音
叔母:
(封筒を手に)美咲、あなた宛ての手紙よ。
美咲:
(手紙を受け取り、おそるおそる開ける)
(便箋を広げ、黙読する)
N:それはトメからだった。
○回想・老人ホームの個室(昼)
トメ:(手紙を読み上げるように)
「事件の後、家族に無理やり老人ホームに入れられ、誰とも連絡が取れません。
数年前、脳梗塞で倒れ、今も体の半分が麻痺しています。
……これは嫁子母の呪いじゃないでしょうか。
」
(苦しげに息をつく)
トメ:
「どうか、私の罪が軽くなるように、嫁子母に頼んでほしい。
そして、子供たちに会わせてほしい。
」
○自宅・リビング(夜)
美咲:(手紙をじっと見つめて)
美咲:(心の声)
ええ、全部知っていますよ、トメさん。
(微かな笑み)
N:私たち家族は離婚後、あなたを老人ホームに入れてから再婚した。
私の姓で。
義姉夫婦も、同じように。
○回想・役所の窓口(昼)
義姉夫(包帯が取れて、穏やかになった表情):
(手続き書類に署名しながら)
これで…家の名は終わりだね。
美咲:(静かに頷く)
N:ウトさんも元の苗字に戻り、孫たちの良いおじいさんになった。
○老人ホーム・個室(夜)
トメ:(手紙を書き終え、虚ろな目で窓の外を見つめる)
○自宅・リビング(夜)
美咲:(手紙をそっと閉じる)
(声を震わせて)
「でも、教えない。
」
(長い沈黙)
美咲:(心の声)
あなたの心臓が危険な状態でも、そのまま地獄へ行けばいい。
N:「嫁子母の呪いじゃないだろうか」――その一文がなければ、実子たちは会いに行ったかもしれない。
美咲:(窓の外を見つめて)
(静かに)私はノータッチ。
私や子供たちに関わらなければ、それでいい。
○老人ホーム・個室(夜)
トメ:(独り言のように)
「私が悪いのよね。
でも…本当はみんな冷たいのよ。
」
(手元の手紙を握りしめる)
○自宅・リビング(夜)
美咲:(静かに、決意のこもった目で)
N:トメはいつも、自分が悪い時だけ「私が悪い」と言いながら、最後には責任を押しつけてきた。
実子と元夫は、もう彼女を許さないと決めた。
○役所・窓口(昼)
職員:(書類を渡しながら)
「すべての手続き、完了しました。
」
N:もう、何もかも終わったのだ。
(BGM:静かにフェードアウト)
(画面暗転)
修羅場な話:「呪いの手紙と終わりなき夜 ― 家族葬に潜む真実」
「呪いの手紙と終わりなき夜 ― 家族葬に潜む真実」
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