■【起】〜葬儀の日、崩壊する家族〜
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数年前、私は最愛の父を亡くし、その悲しみも癒えぬうちに母も脳梗塞で他界した。
親戚も少なく、私ひとりの子供だったため、母の葬儀はひっそりとした密葬に決めた。
だが、その静かなはずの通夜に、義母(トメ)が現れた。
彼女は私を快く思っておらず、場の空気も読まず暴言を吐き、さらには自分でその言葉に笑い出す始末だった。
■【承】〜暴走と修羅場、壊れゆく絆〜
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事態はさらに悪化した。
夫と義姉の夫がトメの両腕を押さえると、トメは逆上し、義姉の夫に頭突きを食らわせた。
義姉の夫は大流血。
叔母が救急車を手配し、叔父が走り回り、私は母の棺にしがみつき泣いていた。
急ぎ駆けつけた義父(ウト)の目に映ったのは、出血する義姉夫とそれを支える義姉、混乱の中の親族、そして怒り心頭のお坊様に説教されるトメの姿だった。
結局、義姉夫は鼻を骨折。
家族はこの一件をきっかけに、ウトメ、義姉夫婦、そして私たち夫婦、それぞれが離婚という形でバラバラになった。
■【転】〜呪いの手紙と明かされる真実〜
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そんなある日、叔母の家にトメから私宛の手紙が届いた。
そこには「事件後、家族に無理やり老人ホームに入れられ、今は体半分が麻痺している」と書かれていた。
そして、「これは嫁子母の呪いではないか」「私の罪が軽くなるように祈ってほしい」「できれば子供たちに会いたい」と。
だが、私はすべてを知っている。
離婚後、トメを老人ホームに入れたあと、私も義姉夫婦も再婚し、みな自分の姓に戻った。
婿養子だったウトも元の苗字に戻り、孫たちのよき祖父として新しい生活を送っている。
しかし、トメには何も知らせていないし、今後も知らせるつもりはない。
なぜなら、彼女は自分の非を認めることなく、すべてを他人のせいにしてきたからだ。
今回も「呪い」として責任転嫁している。
実子二人も元夫(ウト)も、彼女の反省のなさを見抜き、完全に絶縁することを決断していた。
■【結】〜断ち切られた縁、そして静かな余韻〜
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トメの家や財産の手続きもすでに済み、彼女の行く末に関わる者はもういない。
私も子供たちも、彼女がどんな状態であっても関心はない。
もし「呪い」などという言葉がなければ、実子たちは最後の情けで連絡を取る可能性もあったという。
しかし、今となってはそれも消えた。
私はただ、これ以上私や子供たちの前に現れなければそれでいいと思っている。
すべての因縁は断ち切られ、静かに幕を下ろしたのだ。
修羅場な話:地獄の葬儀と絶縁の果て──呪いに囚われた義母の末路
地獄の葬儀と絶縁の果て──呪いに囚われた義母の末路
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