小学4年生の頃、私たちのクラスで心霊ブームが巻き起こりました。
発端は、女の子のGが霊能力を持ち、その能力を見分けられると言い出したことでした。
Gの周りにはみんなが集まり、彼女は一人ずつ手を取って図形を描いていきました。
それが霊能力を示すものだとされ、私も手を差し出すと十字架の絵を描かれ、少し嬉しかったのを覚えています。
ある日、Gが霊界に行く方法を見つけたと言い、休み時間にはみんな机にうつ伏せて「霊界に行く遊び」が始まりました。
しかし、私にはその感覚がわからず、どうしてみんなが霊界に行けるのか不思議でした。
この遊びはどんどん過激になり、霊界でおじいさんに会ったり、川を見たと言う人も出てきました。
Gはまるで教祖様のような存在になっていました。
そして、ある日Gが霊界から戻ってこられなくなりました。
先生が来ても目を覚まさず、慌てた先生がGを保健室に連れて行きました。
翌日、Gは普通に登校してきましたが、この遊びは危険だとされ、禁止になりました。
その後、Gの母親がため池で亡くなり、事故死とされましたが、子供がザリガニ取りをする程度の浅い池で、大人が溺れるとは思えませんでした。
母親の死後、Gはおとなしくなり、休み時間もほとんど動かなくなりました。
クラスメイトも次第にGを放っておくようになり、彼女は孤立していきました。
小学5年生になりクラス替えがありましたが、Gとはまた同じクラスになりました。
ある日、Gが私に「お母さんに会いたい」と話しかけてきました。
Gは「霊界からお母さんを呼び出す方法があるから協力してほしい」と言いました。
かわいそうに思えた私は「いいよ」と返事しました。
Gは女の子をもう一人と男の子三人を集めてくれるよう頼み、人集めは容易でした。
日曜日の朝、私たち6人は○○山の登山口に集まり、Gが案内する獣道を進みました。
その先の開けた場所には洞穴がありました。
Gは私たちに人形の形をした紙を渡し、名前を書くように指示しました。
洞穴の中で円形に座り、Gが「お母さんを呼び出す」と言い始めたとき、私の手を冷たい手が握り驚いて手を離してしまいました。
その瞬間、風が吹き、ろうそくの火が全て消えてしまいました。
パニックになった私たちは外に飛び出しました。
外に出ると、Gだけがいませんでした。
誰も中に入りたがらず、結局男子3人が中を確認しましたが、Gはいませんでした。
結局、Gのいたずらだと納得し解散しましたが、次の日、Gが家に帰ってこなかったことを先生から聞かされました。
先生に昨日のことを話し、現場に戻りましたが、そこには洞穴がありませんでした。
Gを最後に見た場所として捜索が行われましたが、彼女は見つかりませんでした。
Gはどこに行ったのでしょうか?私が手を離さなかったら、どうなっていたのでしょうか?
不思議な話:霊界遊びで消えた友達
霊界遊びで消えた友達
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