不思議な話:消えた少女と、あの日の洞穴――すべての始まりを辿って

消えた少女と、あの日の洞穴――すべての始まりを辿って

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Gがいなくなった。
その日、私たちは洞穴から外へ飛び出したが、Gだけが姿を消していた。
翌日、先生から「Gが家に帰っていない」と知らされ、現場に戻ると、あの洞穴自体が消えていた。
必死の捜索もむなしく、Gは最後まで見つからなかった――あの時、私が手を離さなければ、何か違っていたのだろうか。

その直前、私たちはGの「お母さんを呼び出す」儀式のため、○○山の獣道を進み、洞穴の奥で円を組んで座っていた。
Gに言われるまま紙の人形に名前を書き、ろうそくの灯りの中で儀式が始まった。
Gが呪文のような言葉を口にしはじめた瞬間、隣にいた私の手を、氷のように冷たい手が強く握った。
驚いて思わず振りほどくと、その瞬間、洞穴の中に風が吹き抜け、ろうそくの火がすべて消えた。
パニックになった私たちは転がるように外へ逃げ出したが、Gだけが戻ってこなかった。

話は数日前にさかのぼる。
Gは私に「お母さんに会いたい」と打ち明け、「霊界から呼び出す方法があるから協力してほしい」と頼んできた。
かわいそうに思った私は承諾し、さらに女の子一人と男の子三人を誘った。
日曜日の朝、私たち6人は約束の登山口に集まった。
Gだけが目的地を知っていて、私たちは彼女に導かれるまま山奥の洞穴へと向かったのだ。

そもそも、すべての始まりは小学4年生のときに遡る。
あの頃、クラスでは心霊ブームが巻き起こっていた。
きっかけはGが「霊能力がある」と言い出し、みんなの手に図形を描いては、その人の能力を見分けていたことだ。
Gの周囲には子どもたちが集まり、彼女はまるで教祖のような存在になった。
やがて「霊界に行く遊び」が流行り、机にうつ伏せて霊界体験を語る者が続出したが、私にはその感覚が理解できなかった。

ある日、Gが「霊界から戻れなくなった」として先生に保健室へ運ばれた。
その翌日、遊びは危険だと禁止された。
しかしその直後、Gの母親がため池で亡くなった。
浅い池で大人が溺れるはずがない――そんな違和感だけが残った。
母親の死後、Gは急激に無口でおとなしくなり、クラスでも孤立していった。

そして、小学5年。
クラス替えでもGと同じクラスになった私。
Gは母親を取り戻すために、最後の「儀式」を決行しようとしたのだった。

あの洞穴は、本当に存在したのだろうか?Gはどこへ消えたのか。
もし、あのとき私が手を離さなかったら、彼女は今も私たちのそばにいたのだろうか。
Gの消失の謎は、今も私の心に問いかけ続けている。
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