でーじ優しい夜のキッチンで、夫婦のやさしいゆんたくさー

深夜さー、妻がふと目を覚ましたら、隣にいるはずの旦那さんがいなかったさー。

ちょっと一枚羽織って、階段おりてみたら、キッチンでじーっと考え込んでる旦那さんがいたんだよー。
コーヒーの前で、壁見ながら、涙まで流してるさー。

―どうしたのね？こんな夜中に、何かあったの？

奥さん、でーじ心配そうに声かけたさー。

―20年前の初デート、覚えてるね？まだ16歳だったやつよー。

―うん、もちろん覚えてるさー。

そう答えたら、旦那さんが続けて言ったさー。

―あの時、君のお父さんが俺に銃向けて、こう言ったの覚えてる？

「娘と結婚するか、それとも刑務所に20年入るか、どっちか選べ」ってさー。

―覚えてるよー。
でも、なんで今それ思い出したばー？

旦那さんは涙ぬぐいながら、ちょっと笑って言ったさー。

―もし、あの時刑務所選んでたら…今日ちょうど出てこれたんだよー。